米フォードモーターが1960年代にモータースポーツシーンで活躍したフォードのヘリテージモデル「GT40」をモチーフとしたフォードGTをデトロイトショーで発表した。2005年に限定生産されたフォードGTに次ぐ2代目モデルの登場である。今2015年のデトロイトモーターショーで発表された次期フォードGTは、その伝統に即したV型エンジン・リアミッドシップ搭載、後輪駆動のパッケージングである。
フォードGT40は、1960年代に米フォード社が自社のイメージアップの目的で開発したスポーツモデルだ。目標は「ル・マン24時間レース」参戦だ。1964年に、そのル・マンに「マークⅠ」で参戦するも、3台すべてリタイアした。
1966年、フォードはマークⅠのシャーシを強化し、加えてエンジンを4.2リッターからキャブレターをウェーバー製からホーリー製に変更したシェルビー製の7リッターに換装。その出力は475psまでに上げられた「マーク2」を製作。1966年のル・マンには、8台のマーク2がワークスマシンとして参戦、ブルース・マクラーレン/クリス・エイモン組が優勝、さらに1-3位をGT40が独占した。フォードGT伝説の始まりだ。
今回、2006年の生産終了以来9年ぶりに復活を果たすこととなったフォードGT。時代の要請に応え、新型は環境性能に配慮したスーパースポーツだ。
パワートレーンは、フォード自慢の環境エンジン「エコブースト」。ミッドシップに搭載するこのエンジンは、新開発の3.5リットルV型6気筒ガソリンエンジン。米自動車レースの「MSA」カテゴリーで使われているユニットをベースとしたエンジンをツインターボで過給した。パワートレーンの詳細なスペックは未発表だが、最大出力は600hp以上を発揮。トランスミッションは7速デュアルクラッチの2ペダルとしている。さらに、いわゆるトランスアクスルレイアウトを採用した本格派スポーツカーだ。
ただ、アメリカンスポーツの象徴たるV型8気筒では無いところは、こうしたアメリカンスポーツのファンにどう映だろう。
排気口をボディリアパネル中央とすることで、アンダーボディの空力性能を考慮したスタイリングは、全身でエアロダイナミクスをアピールしている。しかも、このボディ、コクピット部分や外板をカーボン製として、前後にアルミ製サブフレームを持つという超軽量化策が採用されたモノコックとなっているのも注目だ。
2016年発売予定という、このアメリカンスーパーカー。イメージムービーからも懐かしさを感じさせる映像と最新テクノロジーの融合は、なかなか悪くない演出だ。(編集担当:吉田恒)