トヨタ自動車は1月21日に、2014年のグループ世界販売(ダイハツ工業と日野自動車を含む)が前年比3%増の1023万1000台(前年比103%)になったと発表した。内訳は、ダイハツが91万5000台(前年比105%)、日野が16万8000台(同104%)、そして本体のトヨタが914万7000台(同102%)だ。独フォルクスワーゲン(VW)グループ1014万台(同104%)、米ゼネラルモーターズ(GM)992万4880台(同102%)を抑えて、3年連続の首位を奪取した。
トヨタは暦年ベースで、2014年に初めて1000万台を上回り、3年連続で過去最高台数を更新したこととなる。VWは2018年の達成目標としていた世界販売1000万台を前倒しで達成、GMも2年連続で過去最高を更新した。VWの前倒し達成にはポルシェなどの連結子会社化も手伝ったが、ここでは敢えて触れない。
ところで、トヨタが今回発表した2015年のグループ・グローバル販売計画は、前年比1%減の1015万台と見込んでいる。年初発表計画が前年を下回るのは2009年以来6年ぶりだ。
海外販売では約2%増の806万台を見込んでいる。が、国内は消費増税や軽自動車税の引き上げが響き、9%減の210万台と見込む。VWは中国の現地生産を30年以上も前から強化、成長が見込める新興国を中心に積極的な販売攻勢に動いており、2015年はトヨタがVWに首位の座を明け渡す可能性も大いにある。
2014年のトヨタ車だけの販売台数は中国、ブラジル、ロシアで過去最高を更新した。なかでも中国での販売は前年比113%の103万2000台と、大台を超えた。米国でもSUV(スポーツタイプ多目的車)や高級車ブランドのレクサスが好調に推移、欧州でも88万8000台と前年5%アップを記録した。ただし、レクサスの国内販売は伸び悩んでおり、前年比98%。実数で15万5400台だった。
低迷していると見えるレクサスだが、トヨタの傘下にあるスバル車が絶好調と言いながら、登録車12万7000台の国内販売実績。だからレクサスの営業販売部門は頑張っているとも言える。最終製品の売上額ではスバルの3倍ほどとなるだろう。
2014年暦年の国内トヨタ車販売を支えたのは「ノア3兄弟」、ノア、ヴォクシー、そして昨年11月登場のエスクァイア、合わせて年間19万台弱。この数字はプリウスを抜いて国内3位だ。
いずれにしても、トヨタが「意志のある“踊り場”」を志向してからというもの、世間を賑わすランキングには、こだわっていない「販売台数ランクなんて関係ないよ」とする“中身の充実”を目指す経営理念が感じられる。(編集担当:吉田恒)