国販売の内訳を見ていくと日本では不人気の「アウトバック」(138,790台)「レガシィ」(52,270台)の人気が高い。両車は米国向けにボディサイズを巨大化したことが成功に繋がったように見えるが、“クロスオーバー”であるアウトバックだけが増えている。
富士重工業<7270>のスバルブランドは、販売主要国である米国、カナダ、豪州での2014年販売台数が前年比21.0%増の513,693台を記録した。
絶好調の米国販売の内訳を見ていくと日本では不人気(なんと1万台以上販売台数が落ちた)の「アウトバック」(138,790台)「レガシィ」(52,270台)の人気が高い。アウトバック/レガシィは米国向けにボディサイズを巨大化したことが成功に繋がったように見えるが、実はレガシィは巨大化してもそれほど台数は増えていなくて“クロスオーバー”であるアウトバックが増えている。
クロスオーバー人気が良くわかるのが「フォレスター」だ。年間約5万台ほど売れていた2代目が3代目になると約8万台ほど売れ、そして現行型4代目は13万台以上となっている。14年は159,953台も売れている。“オフロードでの使用も考えたステーションワゴン”のイメージだったフォレスターも今では典型的なクロスオーバーとなった。3代目からフォレスターらしくないと感じたが商売のためには仕方ないのだろう。
アウトバックやフォレスターで成功しまくりのスバルが12年に新たに追加したクロスオーバーは「XVクロストレック」(日本名XV)だ。13年にはいきなり53,741台を売り上げる。これはレガシィの42,291台を超える。クロスオーバーはそれほど人気なのである。
ベーシックカーの「インプレッサ」は4代目に変更後3代目の倍近く売れている。アウトバック/レガシィの関係でいうとクロスオーバーであるXVクロストレックの方が売れるだろうと考えるがXVクロストレック/インプレッサにおいてはそうではないようだ。
スポーツカーの「BRZ」は年間8000台ほど。兄弟車のサイオン「FR-S」(日本名トヨタ<7203>86)の半分、ホンダ<7267>「CR-Z」の2倍、日産<7201>「370Z」(日本名フェアレディZ)と同等だ。
スポーツカーといえば「WRX」も忘れてはならない。フルモデルチェンジ後の14年は25,492台と前年比で41.9%増となった。
この数年のクロスオーバー人気で「ポルシェのクロスオーバー割合(60~70%)」というのが出てきたが、スバルにもその数値が当てはまってしまった。クロスオーバー恐るべしである。次は「レヴォーグアウトバック」か。たまにはヨーロッパや日本市場も考えてほしいものだ。(編集担当:久保田雄城)