障害年金の支給について、認定医の数や支給率など、地域によって大きく差が生じていることが分かった。これに対し厚生労働省は1月14日、障害年金の支給状況調査結果を発表。都道府県別に比較した場合、最大で6倍の差があることが明らかとなった。
障害年金の支給について、認定医の数や支給率など、地域によって大きく差が生じていることが分かった。これに対し厚生労働省は1月14日、障害年金の支給状況調査結果を発表。都道府県別に比較した場合、最大で6倍の差があることが明らかとなった。
障害年金とは、病気やけがなどにより障害をもった人が、不自由なく生活を送れるようサポートするための国の年金制度だ。日本年金機構が昨年初めて公開したデータによると、全国の障害基礎年金の不支給率は、2012年度で平均13.7%。しかし地域別にみると、佐賀県25.3%、茨城県24.4%、兵庫県24.0%、大分県23.6%と不支給率が高い地域があるのに対し、栃木県4.1%、長野県5.4%、宮城県6.0%、徳島県6.0%、石川県6.4%など、低い地域との差が目立つ。
障害年金は身体、精神、知的障害の区分でそれぞれ細かく認定基準が定められている。支給対象かどうかの判断は、日本年金機構の都道府県事務センターで行われる審査によって決定する。不支給となった理由としては「障害が認定基準に達していない」と認定医が判断を下したことによるものだが、審査基準自体が曖昧で、結果として地域差に繋がっているという問題が持ち上がっている。
また現場からは、認定医が不足しているという声も。膨大な数の申請を1人で処理するケースも珍しくなく、あるところでは、申請1件につき、数十秒で判定を下さなければ処理が追いつかないという。地域によって認定医の負担も異なることから、申請が通りやすい地域や、通りにくい地域が生じている可能性も否めない。
さらに、以前は実施されていた全国の認定医会議も、近年は行われておらず、情報交換の場がない状況だ。これについて厚生労働省は、近く識者や専門家による会議を開き、障害年金の支給基準や制度について見直していく方針。不公平の是正へ向けて、今年の夏をめどに話し合いを進めていくとした。(編集担当:久保田雄城)