いくら転職市場が上向いているとはいえ、30歳を過ぎてからの転職には勇気がいる。思い切って職を変えたはいいものの、「こんなはずでは……」と悩む人も多いようだ。人材採用を手がけるエン・ジャパンが、30歳以上の自社サイトユーザー1824名を対象に「転職後のギャップ」について調査したところ、聞いていた情報と転職先企業の実態が「違う」と感じたことがある人は8割以上にのぼった。中でも「風土・社風」「昇給制度」「教育体制」がトップ3を占めており、年齢が高い人ほど「風土・社風」に違和感を抱くようだ。
30歳以上の転職経験者に、「転職前に聞いていた企業の評判や求人内容と、転職後の実態に相違がありましたか」と尋ねると、82%が「ある」と回答。そのギャップを「良かった点」と「悪かった点」に分けて聞いた結果では、悪いギャップのトップ3が「風土・社風が悪かった」(42%)、「昇給しにくい」(38%)、「教育体制が整備されていなかった」(36%)となったのに対し、良かったギャップは「特になし」(28%)、「中途入社者が多かった」(21%)、「経験できる仕事が増えた」(21%)の3つだった。複数回答だったこの問いに対し、悪い点は平均2.5項目挙げられているが、良い点は平均1.5項目しか挙がられなかった。悪い部分は特に、「こんなはずでは」と印象に残るのだろう。
年齢が上がるごとにポイントが上がるのは、「風土・社風が悪かった」(30代:36%、40代:43%、50代:45%)、「裁量の幅が狭かった」(30代:17%、40代:24%、50代:25%)という項目。前者の「風土・社風」に関しては、『堅実に見えた社風は、裏を返せば保守的な社風』『意見が言いやすい環境の意味は広く、ただの悪口を本人の目の前で自由に発言』『家庭的で和気あいあいとした職場は、要職を身内で固めたワンマン企業』などの意見が目立った。年齢が上の転職者は特に、経営の意思決定の場面に立ち会うことも多く、社内政治のゴタゴタや風通しの悪さを感じる機会が多いため、「風土・社風」に悪いギャップを感じる割合が高いのかもしれない。(編集担当:北条かや)