世界中のあらゆる会社において、企業秘密がないものはないと言ってよい。その中には顧客リストや製造のノウハウなど、企業が利益を生み出すために必要不可欠なものも多いだろう。営業秘密とはそのような企業秘密のうち、営業や技術上の情報のことを言う。
世界中のあらゆる会社において、企業秘密がないものはないと言ってよい。その中には顧客リストや製造のノウハウなど、企業が利益を生み出すために必要不可欠なものも多いだろう。営業秘密とはそのような企業秘密のうち、営業や技術上の情報であり、公然と知られていないもののことを言うが、そういう秘密の情報をいかに管理し、活用していくかが現在の企業にとって重要な問題となっている。
大企業であれば、専門の担当者がいたり、アドバイザリースタッフがいたりするだろうが、それでも営業秘密の漏洩を防ぐのは難しい。ましてや中小の企業にとっては、限られた人員やリソースの中で、いかに管理していくかは頭の痛い問題だ。独自のノウハウや販売ルートを持つ中小企業にとっては、秘密の管理が企業の生死を分けることもあり得るだろう。
特許庁では、中小企業を対象とした知財総合支援窓口を全国57カ所に設置、フリーダイヤルと窓口で知的財産の管理と保護、そして活用についての相談に応じている。弁理士や弁護士のアドバイスを、無料で受けられる仕組みだ。
それに加えて、2月2日からスタートしたのが、「営業秘密110番」である。企業が生み出した営業秘密の使い方には、他社に使わせるオープン戦略と、自社で独占するクローズ戦略があるが、この「営業秘密110番」は、その二つをどう組み合わせるかなどの、知的財産戦略などについての相談に対応するものだ。日本中のどこからでも利用できるように、全国の知財総合支援窓口と連携する。相談にはメールや電話、窓口で対応、窓口での相談は予約制で、企業での経験者や弁護士が無料で対応する予定だ。また営業秘密の漏洩や流出についての相談にも対応する。
企業の営業秘密を守るのは、企業の利益を守るだけではない。日本が成長していくためにも、個々の企業の秘密を守り、活用を促す必要があるのだ。余分な人員を持てない企業にとっては、無料でアドバイスが得られるのは大きな意味があるだろう。(編集担当:久保田雄城)