骨粗鬆症による骨折経験がある人の半数以上はすぐに骨折気付かず

2015年02月08日 17:28

 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会の「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2011 年版)」によると、日本の骨粗鬆症推計患者数は約 1,280 万人といわれている。骨粗鬆症患者は骨折リスクがあり、一度骨折すると、次の骨折を引き起こすリスクが高まる。寝たきりの主な要因の一つになることから、早期発見・治療が重要な疾患といわれている。しかし、自覚症状がなく気づかない場合も多く、実際に治療を受けている患者数は 200 万人程度にとどまっているという。

 日本イーライリリーは、医療施設を受診し骨粗鬆症と診断された60歳以上の女性515 名を対象として、骨粗鬆症に対する意識・実態インターネット調査を実施、1月23日にその結果を発表した。

 それによると、4 人に 1 人「骨粗鬆症による骨折経験あり」。その内 2 人に 1 人「骨折したとすぐに気づかなかった」。「骨折によって寝たきりになってしまうことへ不安はありますか。」と質問すると、「ある」「どちらかといえばある」と 75.9%が回答した。一方、実際に「過去に骨粗鬆症による骨折経験がありますか。」と尋ねると、4 人に 1 人(23.8%)に骨折経験があることも判明した。さらに、骨折経験があると回答した人に対して「初めて骨粗鬆症による骨折をした際、すぐ骨折したと気付きましたか。」と聞くと、2 人に 1 人(56.6%)が骨折に気付かなかったことがわかった。

 また、60 歳以上女性骨粗鬆症患者、20.0%が「背中の曲がりがあった」、79.0%が若いころより「身長が縮んだ」、60.8%が「腰痛があった」と回答した。それでも、骨粗鬆症を疑い受診をしたのは 14.2%だった。「骨粗鬆症で医療機関を受診する前に、背中の曲がりがありましたか?」と質問すると、「あった」と 20.0%が答えた。内訳をみてみると、「はい、背筋を伸ばせないくらい曲がっていました」(1.4%)、「はい、多少の曲がりは感じていました」(8.7%)と、自覚があった場合と、「はい、自分では気づきませんでしたが、家族や友人などから指摘されました」(9.9%)と、自覚はなく、周囲の人の指摘で気づく場合があったこともわかった。(編集担当:慶尾六郎)