骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会の「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2011 年版)」によると、日本の骨粗鬆症推計患者数は約 1,280 万人といわれている。骨粗鬆症患者は骨折リスクがあり、一度骨折すると、次の骨折を引き起こすリスクが高まる。寝たきりの主な要因の一つになることから、早期発見・治療が重要な疾患といわれている。しかし、自覚症状がなく気づかない場合も多く、実際に治療を受けている患者数は 200 万人程度にとどまっているという。
日本イーライリリーは、医療施設を受診し骨粗鬆症と診断された60歳以上の女性515 名を対象として、骨粗鬆症に対する意識・実態インターネット調査を実施、1月23日にその結果を発表した。
それによると、4 人に 1 人「骨粗鬆症による骨折経験あり」。その内 2 人に 1 人「骨折したとすぐに気づかなかった」。「骨折によって寝たきりになってしまうことへ不安はありますか。」と質問すると、「ある」「どちらかといえばある」と 75.9%が回答した。一方、実際に「過去に骨粗鬆症による骨折経験がありますか。」と尋ねると、4 人に 1 人(23.8%)に骨折経験があることも判明した。さらに、骨折経験があると回答した人に対して「初めて骨粗鬆症による骨折をした際、すぐ骨折したと気付きましたか。」と聞くと、2 人に 1 人(56.6%)が骨折に気付かなかったことがわかった。
また、60 歳以上女性骨粗鬆症患者、20.0%が「背中の曲がりがあった」、79.0%が若いころより「身長が縮んだ」、60.8%が「腰痛があった」と回答した。それでも、骨粗鬆症を疑い受診をしたのは 14.2%だった。「骨粗鬆症で医療機関を受診する前に、背中の曲がりがありましたか?」と質問すると、「あった」と 20.0%が答えた。内訳をみてみると、「はい、背筋を伸ばせないくらい曲がっていました」(1.4%)、「はい、多少の曲がりは感じていました」(8.7%)と、自覚があった場合と、「はい、自分では気づきませんでしたが、家族や友人などから指摘されました」(9.9%)と、自覚はなく、周囲の人の指摘で気づく場合があったこともわかった。(編集担当:慶尾六郎)