歳費削減、文書通信費公開で総理積極性見せず 総理

2015年02月17日 13:06

安倍晋三総理は16日の衆議院本会議で議員歳費や政治活動諸経費についての質問に「議員の政治活動、民主主義の根幹に関わる重要な課題であり、削減や公開のルール化は数で推し進めるべきものではなく、各党各会派で議論を深めていくべき課題」とし、自民総裁としてリーダーシップを発揮することには触れず、通り一遍の回答にとどまった。

 また政治制度改革についても「現在、それぞれ衆参両院に第3者機関による協議機関で議論が行われている。議員定数の問題は議会政治の根幹に関わる問題であり、各党各会派が正面から、この問題に向き合い政治の責任において国民の負託にしっかりこたえていくべきと考える」とし、こちらも踏み込んだ答弁を避けた。

 この日、維新の党の江田憲司代表は「国会議員の給与3割カットに賛同が得られないなら、国会議員の給与を自主的に返納できる法案を提出する。現在は公職選挙法により、給与の国庫返納は違法寄附に当たる。それを閣僚の給与返上と同様に適法にする。総理、あくまで議員個人の判断による自主返納です。この程度のことは、自民党総裁として自民党に指示していただけませんか」と求めた。これへの答弁がさきの答弁だった。

 また、江田代表は「維新の党は先般、自主的に文書通信交通滞在費の使途公開を党のホームページ上で行った。国会議員一人当たり月100万円、年1200万円もの税金が、使途公開も領収書添付もなく使われている。国会議員の第2の給料と言われる所以」と指摘。

 そのうえで「あの号泣県議の政務活動費の不正使用が暴かれたのも、その使い途の公開があったからこそ。どこの会社でも経費は領収書付きで請求、こんなことは世間の常識。総理、先の選挙戦中の討論番組でも、公開に全党、反対はなかった。公明党の山口代表も議院運営委員会の場で検討しようとおっしゃった。反対する理由はないでしょう。できないのなら総理、国会議員である御自身、内閣の閣僚だけでも文書通信交通滞在費の公開をされてはいかがですか」と求めたが、答弁はさきの答弁にとどまった。リーダーシップを発揮する気配は、この件にはまったく感じられなかった。焦点は予算委員会に移りそう。(編集担当:森高龍二)