毎年入れ替わる調味料ブーム、今年は何がくるのか

2013年01月06日 17:30

 桃屋が2009年に販売を開始して爆発的ブームとなり、年間約13億円程度であった市場が100億円を超える程度にまで拡大した「食べるラー油」。2011年に情報番組で取り上げられたことから火がつき、2011年は2億円程度であった市場が2012年には前年比31倍となる62億円が見込まれている麹訴求食品など、毎年のようにブームが起こる調味料市場。2013年にこうしたブームを引き寄せる調味料は何になるのであろうか。

 現在、その最有力候補の1つとされているのが、大分県佐伯市の漁師の妻たちのグループが手作りで製造している「豊後水道鶴見港 海の恵み ごまだし」である。2012年11月3日に日本野菜ソムリエ協会の主催により開催された「調味料選手権2012」で万能調味料部門の最優秀賞を受賞した本製品は、日経トレンディ他、既に様々なメディアにも取り上げられており、ネット販売が関東地方を中心に通常の10倍にも達しているなど、すでにブームの片鱗を見せているという。冷蔵庫もない頃からの伝統食である点は、昨年来ブームとなっている塩麹と相通じるところがあり、また、うどんだけでなく様々な料理に容易に持ち入れることなどからも、大きなブームとなる潜在能力は十分に備えていると言えるであろう。

 一方で、富士経済の調査によると、一昔前に「マヨラー」などと呼ばれる人々が注目を集め、スポットのあたったマヨネーズ類が再び市場を拡大しつつあるという。2012年は前年比103.2%と拡大が見込まれており、今後も内食傾向や中食総菜向けのマヨネーズ需要が継続。さらに、通常のマヨネーズだけでなく、健康訴求マヨネーズや耐熱性・耐冷性などの機能が付加された機能性マヨネーズが続々と市場に投入されており、ブームといえる程ではなくとも、市場拡大が続きそうである。また、汎用性が高い「白だし」は、2011年が前年比112.5%、2012年は108.9%と順調に市場を拡大。パスタやピザのベースソースとして利用される「バジルソース」も2011年が前年比135.1%、2012年は130.0%と大きく市場を拡大しており、これらも無視できない流れと言えるであろう。

 その他、先の「調味料選手権2012」の2次審査を通過した20商品には、「柚子 寿司召し酢」「お手間とらせ酢」「味噌ポン酢だれ」「貴酢 柑橘果汁限定しぼり」「くろめポン酢」など、酢関連商品が多くラインナップしている。「飲める酢」が一時期話題となったが、こうした「酢」のブームも再来するかもしれない。こうした伝統回帰ともいえる商品がブームとなるのか、食べるラー油のように、これまでの概念とは異なる商品がブームとなるのか、注目が集まるところであろう。(編集担当:井畑学)