【今週の振返り】「春のめざめ」で418円上昇し18000円台定着

2015年02月21日 20:14

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企業決算、SQ、日銀会合を通過して、主力銘柄が幅広く買われ、潮目が変わる。これで外部要因のストレスに強くなれば、春の上昇期待は本物に。

 19日の日経平均は続伸。ECBがギリシャの銀行への緊急流動性支援策を承認し、発表されたFOMC議事録も利上げに慎重なムードだったが、NYダウは利益確定売りが入って17ドル安。為替のドル円は118円台でドルの上値は重かった。しかしCME先物清算値は18340円、取引時間前に発表された1月の貿易赤字は57.9%減の1兆1775億円と大幅改善で、日経平均始値は18237円で始まった後、それを「寄り安」にすぐに2007年7月9日の「終値ベースの21世紀最高値」18261円を更新する。午前9時台のうちに2007年2月26日の「ザラ場ベースの21世紀最高値」の18300円も軽々と更新した。10時3分に18322円まで上昇し、途中で採用銘柄の大幅入れ替えがあったとはいえ2000年5月以来14年9ヵ月ぶりの高水準。その後は達成感も入っての利食い売りで18300円を割り込んでも18200円台後半を堅持し、前引けは18283円だった。

 後場は高寄りして18300円台に乗せるが長続きせず、18270~18290円の小幅な値動きが続き、安定して「ゲリラ急落」も起こらない。これは先物主導ではなく、トヨタ<7203>が8年ぶりに株価8000円に乗せ、中期経営方針でROE重視に転換したソニー<6758>が約5年ぶりの高値をつけるなど、主力銘柄に幅広い買いが入った地合いならではのパターン。それでもさすがに終盤は18250円付近まで下落するが、大引けは少し戻して終値ベースの21世紀最高値をつけ、「世紀の記録」更新でメディアが揃って大騒ぎしたこの日の取引を終えた。

 新規IPOは東証マザーズで1件。ビッグデータ関連のALBERT<3906>は公開価格2800円に対し初値は2倍以上の6040円と「圧勝」し、新規IPOは年明け4連勝。

 日経平均終値は65.62円高の18264.79円、TOPIX終値は+12.26の1494.93。売買高は26億株、売買代金は2兆5648億円。値上がり銘柄数は1351、値下がり銘柄数は420。29のセクターが上昇し、上位は銀行、証券、海運、陸運、その他製品、食料品、不動産など。パルプ・紙、空運、非鉄金属、保険の4つのセクターが下落した。

 20日の日経平均は3日続伸。ギリシャがEUに融資延長を申し入れても依然虫のいい条件付きで、経済指標も良くなくNYダウは44ドル安と続落したが、CME先物清算値は18365円で日経平均は18336円と高く始まる。しかし午前9時15分に昨年来高値の18360円まで上昇した7分後に18314円まで下げるなど、過熱感から高値波乱気味で不安定。TOPIXも一時マイナスにタッチするが、9時50分頃から2007年12月以来の1500の大台に乗せ昨年来高値更新。10時台になると値動きが安定し日経平均はおおむね18330~18350円で推移する。それでも11時台は日経平均は18306円、TOPIXは1496まで下落をみせ、前引けは18323円だった。

 後場は午後0時51分に18300円を割り込み18297円の安値をつけた後に反発し、18330円付近まで戻ってTOPIXは一時1500にタッチ。1時台はやや不安定でも2時台は18330円をはさんだ小動きに。上値が重く18100円台まで下げてもすぐリカバリー。今週の主役メガバンクが軟調で「利益確定売りの金曜日」は最後まで上下に振れたが、大引けでは日経平均18330円台、TOPIX1500台を確保した。

 新規IPOは東証2部で1件。北海道で鶏卵の生産と販売を手がけるホクリョウ<1384>は、業種が地味、地方企業、黒星が多い2部と悪条件が重なり今年初めて土がつくかと心配されたが、初値は501円で公開価格460円を上回り2月の新規IPOは5連勝。2月は23日にあと1件ある。

 日経平均終値は67.51円高の18332.30円、TOPIX終値は+5.40の1500.33。売買高は24億株、売買代金は2兆3779億円。値上がり銘柄数は994、値下がり銘柄数は721。パルプ・紙、金属製品、鉱業、建設、機械、サービス、証券など23のセクターが値上がりし、海運、空運、石油・石炭、鉄鋼、繊維など10のセクターが値下がりした。

 2月第3週は4勝1敗。日経平均は13日終値から418.94円上昇して今週の取引を終えた。TOPIXは今週全勝で5連騰中、JPX日経400は6日から10連騰中。(編集担当:寺尾淳)