記者会見をした二階氏は、いわゆる従軍慰安婦について「日本と韓国だけの問題でなく、いまや米国など世界中に話が散らばっている。早く解決することが日本のためになる」との考えを示したうえで、会談中の発言について弁明した。
2月13日、韓国訪問中の自民党二階総務会長は、朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談し、日韓関係改善に向けた安倍首相の親書を手渡した。親書を受け取った朴槿恵大統領は、いわゆる従軍慰安婦問題を挙げ、「(高齢化した)元慰安婦が生存している間に解決したい」と述べたことを受け、二階氏は会談で「全くその通りだ」と答えた。この発言は、日本政府の個人も含めた日韓両国間の請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」と明記した1965年の日韓請求権・経済協力圏による、慰安婦問題を含む戦後賠償問題が解決済みであるとの立場と反するものだ。
今月15日、ソウル市内で記者会見をした二階氏は、いわゆる従軍慰安婦について「日本と韓国だけの問題でなく、いまや米国など世界中に話が散らばっている。早く解決することが日本のためになる」との考えを示したうえで、会談中の『全くその通りだ』という発言は、「大統領の言われたことは何もかもそうですということではない」と弁明。その後、この発言が問題視されたことを受け「気に入らない新聞がいらんことを書いているが。おかしい。物事の経緯、道理をちゃんとわきまえなければ」と恨み節を漏らしている。
二階氏の恨み節であるが、これは筋違いであろう。従軍慰安婦の問題を日本と韓国だけの問題にしていないのは、韓国である。2013年7月30日に韓国系米国人が米国カリフォルニア州ロスアンゼルス郡グレンデール市に慰安婦の像を設置したのを皮切りにミシガン州デトロイトに設置。さらには予定ではあるが、カリフォルニア州フラートンにも設置するという。この慰安婦の像には、20万人の従軍慰安婦が存在したという歴史的な根拠のない数字が刻まれている。戦時下の性暴力という公に反論しにくい内容であるが、このまま韓国のアピールにより日本の国際的な地位を下げられ世界から非難されるのは得策ではない。
韓国大統領府は、二階氏が朴大統領に手渡した安倍首相の親書の内容を明らかにした。親書には、15年が日韓国交正常化50年であることをふまえ、「良い年になるように、お互い努力しよう」と呼びかける内容であったのが何とも皮肉的なことである。(編集担当:久保田雄城)