野田佳彦前総理が、日韓関係の悪化は安倍政権になっての右傾化によると韓国側関係者がよく指摘するが、自らが総理だった野田政権下での従軍慰安婦問題への日韓首脳の認識や対応の違いから「残念ながら、既に野田政権の時から始まっていた」と自身のかわら版で示した。
野田前総理は「2011年12月、京都で開催された日韓首脳会談で、李大統領は時間の大半を費やして、いわゆる従軍慰安婦問題の解決を求めてきた」とし「私は1965年の日韓請求権協定によって法的には完全に決着しているという立場を貫き、彼の要求に応じなかった。この時の厳しいやり取りが、翌年8月の李大統領による竹島上陸という常軌を逸した行動の伏線となり、日韓関係の急速な悪化につながった」との認識を示した。
野田前総理は「日韓関係の冷却の原因を日本の右傾化とする韓国側の主張は、現在の安倍政権を意識したものでしょう。しかし、両国関係の悪化は残念ながら既に野田政権の時から始まっていた。その時、日本は右傾化していたのでしょうか。むしろ、ナショナリズムとポピュリズム(大衆迎合主義)を連動させる動きが韓国側から始まったと見るべきでしょう」と韓国側からの要因の大きさを指摘した。野田前総理はこうした主旨の話を昨年秋の日韓有識者会合でも話したという。(編集担当:森高龍二)