大阪市にあるテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が今年の1月30日に1日入場券の大人料金を220円値上げした。平成22年の5月末まで5800円の入場料が6年連続の値上げで税込み7200円になった。度重なる値上げにもかかわらず、入場者数が過去最高を更新する絶好調ぶりを発揮している。これまでの最高は開業直後、2001年の1102万9000人なので、開業以来の記録更新となる。
好調のUSJが度重なる値上げに踏み切るのは、値上げにより上がった収益効果で、投資の回収を急ぎ、さらなる構想を実現させる為だ。大人気のハリーポッターエリアには450億円の大規模な投資を行っている。この金額はハリポタエリアへの投資が決まったその当時の売上高の約半分。まさに社運をかけた大事業に成功したUSJは財務状況の安定を目指してハリポタエリアへの投資分をはやく早期に回収しようとしているのだ。ハリポタエリアではバタービールや百味ビーンズといった話題の商品の売れ行きも好調で、投資の回収スピードを加速させている。回収後には株式市場への新規上場や、新しいテーマパークへの投資等次のステップへの準備が始まる。
USJが度重なる値上げを断行しているが、それでもその価格は世界水準より低い。アメリカ・フロリダ州にあるユニバーサル・オーランド・リゾートとウォルトディズニー・ワールド・リゾートは1日入場券が共に日本円で一万円を越える。香港のディズニーランドが約7700円、USJの半分の広さのユニバーサル・スタジオ・シンガポールが約6600円。世界のテーマパークと比較しても決して高いと言う水準ではない。
ハリポタエリアが出来てからUSJのイメージは一新した。人気が落ち着いた頃に行こうと思っていたら、周りの人からハリポタのロゴが入ったクッキーや百味ビーンズをお土産にもらうようになった。行きたい気持ちと220円の値上がりを天秤にかけると、行きたい気持ちがだんぜん重い。USJの強気の戦略は今のところうまくいっているようだ。(編集担当:久保田雄城)