ストーナーが今季初優勝、PPスタートのロレンソは2位

2012年04月30日 07:32

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スタートから激しいレース展開を見せたスペインGP。ロレンソは我慢のレースで2位フィニッシュとなり、ランキングポイントでのトップをキープした。

2012年MotoGP第2戦は湿ったコンディションの中スタートし、3周目からトップを奪ったホンダのケーシー・ストーナー(ホンダ)が今季初優勝した。

 ヨーロッパラウンドの初戦はスペイン南部のヘレスサーキット。10万人を超える観衆が押し寄せたサーキットのコンディションはウェット、路面温度も15度と上がらない中、各チームのタイヤチョイスやマシンセッティングにも注目が集まった。

 Moto3では半分が転倒してしまう難しいコンディションの中、前日の予選でダニ・ペドロサ(ホンダ)との激しいポールポジション争いを制したホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、21戦ぶりにフロントローを獲得したニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)などスタートの飛び出しに期待の歓声が上がった。しかし、1周目を終えるコントロールラインをトップで通過したのはロケットスタートを得意とするペドロサ。だが、2周目はロレンソ、3周目にはストーナーがトップを奪い、激しいレース展開を予感させる序盤であった。2周目を終わる頃にホンダの1-2が完成したが、それも束の間、ペドロサはジリジリと順位を落とし、5位にまで転落した。そして、この序盤のトップ争いで光っていたのは、カル・クラッチロー(モンスター・ヤマハ・テック3)。激しく攻め続けるレース展開は観る者を熱くさせるには十分過ぎる走りだった。

 中盤以降は安定した走りを見せるトップ争いも残り10周となった所で、ドラマを見せる展開になった。9コーナーでのストーナーのミスを見逃さなかったロレンソが一気に差を詰め、トップ争いはヒートアップ。そして終盤にはペドロサとクラッチローも熾烈な3位争いをしながら、そのトップの座に肉薄する勢いで迫る。しかし、最後は底力を見せたストーナーが3周目から一度もトップを譲ることなく、チェッカーを受けた。

 どのチームもコンディションに苦しんだレースであったが、フロントのセットアップが決まったストーナーがスペインでの初優勝を遂げ、フロントでソフトタイヤをチョイスしたことで、終始、理想とは違うレース展開を余儀なくされたロレンソは我慢の2位フィニッシュという結果となった。

 ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3のカル・クラッチローとアンドレア・ドビツィオードは、開幕戦に続き、4位、5位でフィニッシュし、安定した強さを見せつけた。また、今レースが最高峰クラスでの200戦目となるメモリアルレースとなったバレンティーノ・ロッシ(ドゥカティ)は、9位でのフィニッシュとなった。

 第3戦ポルトガルGPはエストリル・サーキットにて、5月6日に決勝が行われる。(編集担当:加藤隆文)