あと5年ほどで東京五輪が開催されようとしているが、その際、人々の関心を最も集めるのは各競技の代表に誰が選ばれるのか?どの競技でメダルを獲得することができるのか?などの競技そのものに関わる話題ではあると思うが、少し視点をビジネス寄りに向けてみれば、どの企業がスポンサー契約を結ぶのか?ということも大きな話題となることがある。
スポンサー契約のうち最高位である「TOPパートナー」には1業種1社という制限があり、コカ・コーラやマクドナルドなどの名立たる大企業が選ばれるわけなのだが、この「TOPスポンサー」に日本の自動車メーカーであるトヨタ自動車<7203>が選ばれた。
13日、トヨタ自動車は国際オリンピック委員会(IOC)との最高位のスポンサーである「TOPパートナー」契約を結んだとの発表を行った。2024年までの10年契約(16年までは国内のみの権利)で、契約金は総額1000億円以上とみられている。「TOPパートナー」の発表はこれで12社目となり、これまでにコカ・コーラやマクドナルドが契約を結んでおり、日本の企業としてはパナソニック<6752>、ブリヂストン<5108>に続いて3社目となる。「TOPパートナー」は1業種1社に限られているが、今回国際オリンピック委員会は新たに「モビリティ分野」を設立。それにトヨタ自動車が選ばれる形となった。
「TOPパートナー」契約を結ぶことにより、トヨタ自動車は五輪マークを自社製品の宣伝活動で使用することができるほか、競技場などで対象商品を使うことにより世界中に向けて企業や製品をアピールすることが可能となり、ブランドの認知度向上につながる。国際オリンピック委員会によれば12年のロンドン五輪までの4年間の「TOPパートナー」1社あたりの年間総額は平均2159万ドル(約26億円)で、今回のトヨタ自動車の契約金はその約4倍にあたる。
トヨタ自動車は今回、国際オリンピック委員会と「TOPパートナー」契約を結んだことについて「パートナーの名に恥じないように、皆さまに『トヨタを選んでよかった』と思っていただけるよう貢献してまいりたいと思います」とコメントしている。五輪のスポンサー企業は世界中からの注目を浴びることとなる。それが「TOPパートナー」となればなおさらだ。これを機会に日本の自動車メーカーの名が世界中に広く知れ渡ることを願うばかりだ。(編集担当:滝川幸平)