東京都が独自にFCVへ補助金。セブン・イレブンに水素ステーションを併設

2015年01月05日 08:37

H2 station

都のFCV補助金は約100万円。写真は政府の規制緩和に伴って可能となる「セブン・イレブンと水素ステーション併合」店舗イメージ

 東京都が燃料電池車(FCV)の普及を図る目的で、独自に補助金を支給することになった。燃料電池車の納品に合わせ、都も補助制度を開始し、2月上旬頃から制度の詳細を公表する予定。補助金の申請は、燃料電池車の購入後の申請となる。

 この都の補助金はトヨタ「MIRAI」をモデルケースにすると102万円ほど、国の補助202万円を併用、加えてエコカー減税を摘要するとMIRAIが400万円ほどで購入できる。

 この補助金をテコに東京オリンピックが開催される2020年までに6000台、2025年までに10万台のFCV普及を目指す。また、燃料電池バスは2015年に都として実証実験を行ない、2016年に実用化し、オリンピック開催時には都営バスで50台以上の導入を図る計画だ。この目標を達成するため、都の公用車に積極的にFCVを導入。これらの車両を災害時の外部電源として活用するための制度、インフラを整えるという。

 また、FCV導入の前提条件となる「水素ステーション」は、都として移動式を含めてオリンピックまでに35カ所、2025年には80カ所整備する計画だ。優先的に整備するのはオリンピック関連施設周辺の都心で、その後郊外にも拡大するという。都の試算によると都心35カ所が整備されれば、平均15分FCVを走行させればステーションに到着できるという。都は、2014年11月の補正予算で「水素社会の実現」とする名目で40億円の予算を計上した。

 一方、セブン・イレブンが水素ステーションを併設したコンビニを出店する。岩谷産業とセブン・イレブン・ジャパンは、店舗併設に関する包括合意書を締結し、2015年度に東京都と愛知県に併設店舗2店舗を順次オープンさせる。

 これは、政府の規制緩和に伴って可能となったステーション設置で、現在の法規制では、水素ステーションを建設するのに欧米の約2倍、4億円ほど必要だ。しかし、政府は燃料電池車の普及に向けて規制を緩和し、2020年までに現在の半額程度で建設出来るようにする。

 今回のセブン・イレブンと岩谷産業の施策は、これに呼応したもの。2社が協働で2015年秋に東京都と愛知県で、水素ステーションを取り敢えず2カ所建設する。施設建設費は岩谷産業が負担し、運営をセブン・イレブンが行なう。ただ、ステーションの営業は24時間とは行かないもよう。

 これとは別に、岩谷産業が独自で20カ所、JX日鉱日石が2015年中に全国で40カ所のステーション設置を計画している。

 セブン-イレブンは、「今後も商品やサービスの拡充だけでなく、エネルギー問題に対して、これからも“省エネ”、“創エネ”、“蓄エネ”による総合的な節電に積極的に取り組むことで、総電力使用量の削減とともに、環境にやさしい店舗づくりに取り組む」と発表した。(編集担当:吉田恒)