前半戦最後のイタリアGPはロレンソの圧倒的勝利に…MotoGP

2012年07月16日 07:32

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イタリアGPで圧倒的な強さをみせたホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)

 2012年の前半戦を締めくくるイタリアGPは、圧倒的な強さでホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が優勝を飾った。

 1141mのストレートが演出する340キロからのフルブレーキングが、とてもエキサイティングなレース展開を予想させるMotoGP第9戦。ムジェロ・サーキットはこの長いストレートが、1000ccに変更されたエンジンのパフォーマンスを引き出すのに適し、また、高低差も40m以上ある非常にバラエティに富んだコースレイアウトを持つ。

 フロントローはポールのダニ・ペドロサ(ホンダ)、ロレンソ、エクトル・バルベラ(プラマック)という、史上初のスペインライダーが独占という並びだった。そしてレースは気温25度、路面温度43度のドライコンディションの中、スタートした。

 ポールポジションにロケットスタートというこれ以上ない条件で、最初からトップを独走したいペドロサだったが、何と2コーナーでロレンソにあっさりと首位を明け渡してしまった。アンドレア・ドビツィオーゾ(モンスター・ヤマハ・テック3)も7位スタートから一気に3位まで順位を上げ、好調さが続いていることをアピールした。逆に前レースをリタイアし、ノーポイントで終わってしまったケーシー・ストーナー(ホンダ)は5番手スタートから8位まで順位を下げ、元気がない印象を与えていた。

 レース序盤、魅せたのはステファン・ブラドル(LCRホンダ)。8位スタートから4位まで浮上し、またしてもルーキーが期待を持たせるレースを展開させた。そして、ドゥカティのバレンティーノ・ロッシはマシンと共にお膝元ということもあり、7周目には7位まで順位を上げ、一番の歓声を受ける。

 中盤以降は、トップのロレンソが徐々に後続を引き離し、一人旅状態へ。一方、元気のなかったストーナーも一時は5位まで順位を上げてはいたものの、らしくないミスもあり、10位という屈辱のポジションまで落ちてしまった。

 レース終盤、ロレンソの独走状態が変わらないと感じた観客の興味は3位争いに。初の表彰台を狙うルーキーに好調ライダーが牙を剥き、激しいレース展開に。20周目、4位のドビツィオーゾがブラドルを捉え3位に浮上。この2人はゴールまで激しいバトルを展開し、僅差でドビツィオーゾが3戦連続の表彰台を手にした。2位には安定した結果を残すペドロサが入り、期待のロッシは5位に終わった。今シーズン5勝目を挙げたロレンソは他を寄せ付けない強さをレース全般で感じさせてくれた。最終ラップでは勝利を確信し、手を上げる余裕を見せるほどだった。

 2012シーズンも半分を終え、いよいよ折り返しだ。ポイントランキングトップのロレンソは2位のペドロサに19ポイントの差を付けた。コンストラクターズのランキングもヤマハが首位に立ったが、後半でのロレンソの同僚ベン・スピースの復調が待たれる。ホンダとの差はわずか5ポイントと、1レースでひっくり返されてしまう混戦模様の行方はアメリカラウンドへと繋がっていく。

 次戦アメリカGPはマツダ・レースウェイ・ラグナセカで7月29日に決勝が行われる。(編集担当:加藤隆文)