日本経済団体連合会が実施したアンケート調査で、グローバルな人材育成のために大学卒業時に大学生が身につけていることを期待する素質、能力、知識では「主体性」と「コミュニケーション能力」が突出して高いことが分かった。次いで「実行力」と「チームワーク」だった。
会員企業と非会員企業438社の回答をまとめた。点数を5点から1点の5段階にし、最も重視、期待するものを5点とした。その結果、主体性は1373ポイントと最も高く、コミュニケーション能力が1157ポイントでこれに続いた。
3位の実行力となると736ポイントまで下がる。倫理観は353ポイントと8番目だった。また外国語能力は84ポイントにとどまった。
大学の教育方法では「一方的な講義でなく、能動的学びを促すほう双方向型の授業実施」を期待する声が最も高く、387ポイントあった。次いで「経営幹部や実務者からのグローバルビジネスの実態を学ぶカリキュラムの実施」が218ポイントと続いた。
このほか、346社が回答した児童・生徒の英語4能力(読む・書く・聞く・話す)の向上への対策では「教員免許を持たない有能な外部人材(日本人および外国人人材)や民間事業者を活用する」ことをあげた回答が211ポイントと最も高く、「イングリッシュ・キャンプ等の英語漬け体験を通じて、児童・生徒が英語に触れる機会を大幅に拡大する」が187ポイントとこれに続いた。経団連は「現状の英語教師の能力に関する問題意識が伺える」と分析した。調査は昨年11月から今年2月にかけて会員企業243社、非会員企業220社を対象に実施した。(編集担当:森高龍二)