3月1日から現在大学3年生の就職活動が「解禁」となった。経団連の要請で、就活のスタート時期は、これまでの12月から大幅に繰り下げられた。一方で、早くから学生に接触しようと、実質的な採用活動である「インターン」を行う企業も増えている。就活が始まる前の夏休みや冬休みにインターンを開催し、優秀な学生を囲い込もうとの意図だ。就職活動は「短期化」しているようにみえて、ある面では「長期化」しているともいえる。企業側の意図が分からず、焦りや不安を抱える学生も多いことだろう。
株式会社アイデムが、2016年新卒の就活生を対象に調査したところ、就職活動の本格化を直前にして、8割の学生がストレスを抱え、その要因は「内定への不安」や「就職活動時期の繰り下げ」が半数以上を占めた。調査はアイデムが運営する相互マッチング型就職活動サイト「JOBRASS」が2015年1月21日~23日にかけて、ウェブアンケートで実施。就活本格化を前にして、すでに準備を始めている学生や、実質的な就活をしている学生515人から回答を得た。
就活の本格化直前に、就職活動を始めてストレスを感じたことがあるか・感じると思うかという設問に対しては、「ストレスを感じている(と思う)」が37.9%、「若干、ストレスを感じている(と思う)」が45.8%で、本格化前にもかかわらず、すでに83.7%もの学生がストレスを感じていた。 理由について尋ねたところ、「内定がもらえるか不安だから」が85.6%、「開始時期変更による不安から」が59.4%と上位を占め、次いで「面接が不安だから」(56.4%)、「自己PRに書く強みが無いから」(41.3%)などとなっている。
調査を受けて、評論家・コラムニストの常見陽平氏は、「ここ数年、就職難と言われた時代においても、就活とストレス、うつに関する調査は行われてきた。求人倍率などは回復基調であり、売り手市場化が指摘される中でも、就活にストレスを感じる学生が多数であるということは、就活の問題は、求人倍率という経済的な問題だけではなく、学生と企業の出会い方という構造的な問題、出会うプロセスの摩擦の問題が大きくなっていると感じる」とコメントしている。(編集担当:北条かや)