【今週の展望】権利確定イベントの26日に2万円タッチ?

2015年03月22日 20:38

 今週、3月第4週(23~27日)は5日間の取引。26日は3月期決算銘柄の「権利付き最終売買日」で、今期の期末配当や株主優待を受けたければこの日が買付期限。一夜明けた27日は「配当権利落ち日」になる。27日始値で日経平均株価は自動的に配当権利落ち分が下落し、13日のメジャーSQ日から先に下落している先物(6月限)との差が埋まる。ブルームバーグの試算では配当権利落ち分は111円。今週は権利確定イベント通過とともに新規IPOラッシュでもあり、10銘柄が新規上場する(TOKYO PROを除く)。前週まで年明け11連勝の「初値>公開価格」の連勝記録をどこまで伸ばせるか? 29日の日曜日にヨーロッパは夏時間に移行し、日本からみた時差はロンドンは8時間遅れ、パリ、ブリュッセル、フランクフルトは7時間遅れに。世界の主要株式市場の休場はない。

 国内の経済指標は、27日は月末の金曜日恒例の政府の経済指標発表集中日になる。24日は3月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)、25日は2月の企業向けサービス価格指数、27日は消費者物価指数(2月全国、3月東京都区部)、2月の家計調査(二人以上世帯の家計消費支出)、労働力調査(失業率、有効求人倍率)、商業販売統計が、それぞれ発表される。

 26日は3月期決算銘柄の権利付き最終売買日。統一地方選挙の10道県の知事選が告示される。投開票日は4月12日。27日は3月期決算銘柄の権利落ち日。この日、世界遺産・姫路城の「平成の大修理」が終了する。訪日外国人の人気を呼びそうだ。

 主要企業の決算発表は非常に少ない。24日はアークランドサカモト<9842>、26日は夢の街創造委員会<2484>、オプトエレクトロニクス<6664>、壱番屋<7630>、27日は山下医科器械<3022>、ミタチ産業<3321>、NaITO<7624>が発表する。

 新規IPOは10銘柄ありラッシュの週。そのうち9銘柄が東証マザーズに上場する。情報・通信関連が多いが、街角のペットクリニックと〃病診連携〃した「動物の総合病院」というユニークな業態の銘柄もある。

 24日はイード<6038>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、Webメディア運営、コンテンツ提供、ソリューション提供を手がける情報・通信関連企業。公開価格は1400円。RS Technologies<3445>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、シリコンウェハーの再生加工、販売を手がける半導体関連企業。公開価格は2750円。ファーストコーポレーション<1430>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、分譲マンションの建設を手がける住宅関連企業。公開価格は1600円。

 25日はAiming<3911>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、オンラインゲームの企画、開発、運営を手がけるゲーム関連企業。公開価格は920円。ハウスドゥ<3457>が東証マザーズに新規上場する。京都市が本社で、住宅など不動産の開発・分譲、売買仲介、賃貸、リフォームなどを手がける不動産関連企業。公開価格は3600円。シンデン・ハイテックス<3131>がジャスダックに新規上場する。東京が本社で、液晶、半導体、電子機器の商社。公開価格は2740円。

 26日はプラッツ<7813>が東証マザーズと福岡Qボードに新規上場する。福岡県大野城市が本社で、介護用ベッドの製造・販売を手がける介護・福祉関連企業。公開価格は3260円。日本動物高度医療センター<6039>が東証マザーズに新規上場する。川崎市が本社で、イヌ・ネコ向けの高度医療を行う二次診療専門動物病院というペット関連企業。公開価格は1130円。モバイルファクトリー<3912>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、モバイルサービスを手がける情報・通信関連企業。公開価格は1410円。

 27日はsMedio<3913>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、マルチメディア技術、ネットワーク技術中心のソフトウェア開発を手がける情報・通信関連企業。公開価格は2520円。

 なお、23日に不動産業のTSON<3456>がTOKYO PRO市場に新規上場するが、機関投資家専用で、個人投資家は東証から特別に許可を受けない限り取引できない市場なので、新規IPOにカウントしないのがふつう。

 海外の経済指標は、23日のアメリカの中古住宅販売件数、24日のHSBCの中国PMI、25日のアメリカの耐久財受注が重要。

 23日はアメリカの2月のシカゴ連銀全米活動指数、中古住宅販売件数、ユーロ圏の3月の消費信頼感指数速報値、24日は中国の3月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)、フランス、ドイツ、ユーロ圏の3月の購買担当者景気指数(PMI)速報値、英国の2月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの2月の消費者物価指数(CPI)、1月のFHFA住宅価格指数、3月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、2月の新築住宅販売、3月のリッチモンド連銀製造業指数。

 25日はフランスの3月の製造業信頼感指数、ドイツの3月のIFO景況感指数、アメリカの2月の耐久財受注、26日はフランスの10~12月期の国内総生産(GDP)確報値、ユーロ圏の2月のマネーサプライ、英国の2月の小売売上高、アメリカの3月のマークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)、27日は中国の2月の工業利益、フランスの3月の消費者信頼感指数、アメリカの10~12月期の国内総生産(GDP)確報値が、それぞれ発表される。

 26日は台湾、フィリピン、南アフリカ、メキシコで中央銀行が政策金利を発表する。アメリカ主要企業の決算は発表されない。

 前週の日経平均は6週連続の上昇で、週間騰落は3月第1週の+173円、第2週の+283円を上回る+305円だった。毎週毎週、買われすぎの過熱感を指摘されながら、それに反抗するかのように加速がついて上昇幅が週を追って大きくなっている。そんな「逆放物線」になるなど物理学で言う自然界の「エントロピーの法則」に反すると理屈を言ってもしかたない。この風変わりな相場を説明するには物理学でも、ファンダメンタルズやテクニカルの分析でもなく、心理学や行動経済学の知識が求められるのではないかと思われる。