今週、3月第2週(9~13日)は5日間の取引。3月8日にアメリカが夏時間に移行し、9日からNY市場の終了時間は日本時間で午前5時に繰り上がる。日経平均のCME先物清算値が出るのは午前6時15分で、毎月の雇用統計の発表時間は午後9時30分。ヨーロッパは29日から夏時間に移行する。11日は東日本大震災4周年で追悼式典が行われる。13日は株価指数の先物もオプションも全て特別清算指数が算出される3ヵ月に一度の「メジャーSQ」の日。今週は世界の主要株式市場に休場はない。
国内の経済指標は、11日の機械受注、12日の法人企業景気予測調査が重要。9日は10~12月期の国内総生産(GDP)改定値、1月の国際収支、2月の景気ウォッチャー調査、10日は2月のマネーストック、1月の携帯電話・PHS国内出荷実績、11日は1月の機械受注、2月の国内企業物価指数、1月の特定サービス産業動態統計、12日は1~3月期の法人企業景気予測調査、1月の産業機械受注額、第三次産業活動指数、2月の消費動向調査、東京都心部オフィス空室率、13日は1月の鉱工業生産指数確報値・設備稼働率指数、2月の発受電電力量が、それぞれ発表される。
9~10日にドイツのメルケル首相が来日する。9日に松山市で日銀の中曽副総裁が講演し、記者会見を行う。10日にエルニーニョ監視速報が発表される。11日は東日本大震災から4周年の日。13日は「メジャーSQ」の日。14日は北陸新幹線の長野~金沢間、上野東京ラインが開業し、JR各社がダイヤ改正を行う。
主要企業の決算発表は1月期決算銘柄の本決算がピークだが、数は多くない。新規IPOは来週の17日までない。
9日は東日本ハウス<1873>、学情<2301>、ポール・トゥ・ウインHD<3657>、10日はサーラ住宅<1405>、アヲハタ<2830>、佐藤食品工業<2923>、DR.シーラボ<4924>、日本ビューホテル<6097>、11日はテンポスHD<2751>、アゼアス<3161>、イハラケミカル工業<4989>、三井ハイテック<6966>、菱洋エレクトロ<8068>、東京楽天地<8842>、12日は菊池製作所<3444>、テックファーム<3625>、イーブックイニシアティブ<3658>、TASAKI<7968>、アルデプロ<8925>、スバル興業<9632>、東京ドーム<9681>、シーイーシー<9692>、13日はファーマフーズ<2929>、神戸物産<3038>、丸善CHIHD<3159>、メガネスーパー<3318>、稲葉製作所<3421>、モルフォ<3653>、エイチーム<3662>、フリービット<3843>、イムラ封筒<3955>、ロングライフHD<4355>、ACCESS<4813>、ウエスコHD<6091>、OSGコーポレーション<6757>、3Dマトリックス<7777>、日本テレホン<9425>、精養軒<9734>、丹青社<9743>が発表する。
海外の経済指標は12日のアメリカの小売売上高に注目。11日のFRBのCCAR(包括的基本分析)の発表で金融市場にひと波乱があるかもしれない。
9日はドイツの1月の経常・貿易収支、アメリカの2月の労働市場情勢指数(LMCI)、10日は中国の2月の消費者物価指数(CPI)、生産者出荷価格指数(PPI)、フランスの1月の鉱工業生産指数、アメリカの1月の卸売在庫、卸売売上高、11日は中国の2月の小売売上高、工業生産高、都市部固定資産投資、不動産投資、英国の1月の鉱工業生産指数、アメリカの2月の財政収支、12日はドイツ、フランスの2月の消費者物価指数(CPI)、英国の1月の貿易収支、ユーロ圏の1月の鉱工業生産指数、アメリカの2月の小売売上高、輸出入物価指数、13日はアメリカの2月の生産者物価指数(PPI)、3月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が、それぞれ発表される。
9日にアップルがサンフランシスコでイベントを開催し、注目の「アップルウォッチ」をお披露目される予定。ブリュッセルでユーロ圏財務相会合が開かれ、この日からECB(欧州中央銀行)がユーロ圏諸国の国債の買い入れを開始する。10日はブリュッセルでEU財務相理事会が開かれる。11日はFRBが大手銀行の包括的基本分析(CCAR)の結果を発表する。11日はタイ、12日はニュージーランドと韓国、13日はロシアのそれぞれの中央銀行が政策金利を発表する。15日はアメリカの連邦債務上限の引き上げ期限。
アメリカ主要企業の決算は、9日にアーバンアウトフィッターズ、12日にダラー・ゼネラルが発表する予定。
めったにない過熱感で迎えた前週の日経平均は4日こそ3ケタ安だったが、150円、200円も下げる大幅調整の日がなかった。下げたら買い戻しが入り、まるで池に向かって平たい石をサイドスローで投げた時のように〃水面〃でピョンピョン反発して「沈みそうで沈まない」現象が繰り返され、週末の6日にはザラ場中に19000円の大台にあと21円まで迫ったあげく、昨年来高値を更新し週間騰落は予想外のプラスだった。おかげで「上昇一服」「過熱感で下落」を予想した人はみな「オオカミ少年」呼ばわりされる羽目に陥った1週間だった。
オオカミ少年は根拠もなく「オオカミが来る」と繰り返して村人から信用されなくなったが、前週はテクニカル指標も、外部要因も、大幅下落のオオカミが来てもおかしくない根拠はたくさんあった。それをひっくり返したのはひとえに需給の堅さのおかげだろう。
5日に東証が発表した2月23~27日の「投資部門別株式売買状況」によると、外国人は3週連続の買い越し、個人は6週連続の売り越し、そして「信託銀行」は8週連続の買い越しだった。信託銀行はGPIFなど年金資金の運用で表に出る存在。そして裁定買い残は6週連続で通算9024億円増加しても、信用買い残は6週連続で通算4079億円減少し、信用倍率は1月16日の5.72倍から2月27日は3.52倍まで低下している。需給面でずっと「外国人対個人」の綱引きが続いてきた東京市場に、年初から年金資金という「株をどんどん買い続ける勢力」が台頭し、2ヵ月が経過して需給をかなり改善させた、という構図が浮かび上がる。