今週、3月第1週(2~6日)は5日間の取引。早くも3月弥生で、26~27日に3月期決算銘柄の権利確定イベントがある年度末の月になった。3月8日にアメリカが夏時間に移行し、9日からNY市場の終了時間は日本時間の午前5時に繰り上げる。ヨーロッパは遅れて3月29日から夏時間に移行する。
世界の主要株式市場の休場は、4日にタイが仏教行事「マーカブチャー(万仏節)」で休場する。アルコール販売禁止で肝臓には良い日? 6日にインド・ムンバイ市場がヒンズー教行事「ホーリー」で休場する。他人の顔にカラフルな色を塗りあう奇祭。
国内の経済指標は2日の法人企業統計が重要。2日は10~12月期の法人企業統計調査、2月の新車販売台数、軽自動車販売台数、2月の百貨店各社の売上高速報、3日は2月のマネタリーベース、1月の毎月勤労統計調査速報、ファーストリテイリング<9983>の2月の国内ユニクロ売上高速報、4日は2月のマークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)、6日は2月上・中旬の貿易統計、1月の景気動向指数速報値、3月のESPフォーキャスト調査が、それぞれ発表される。
3日に経済同友会の長谷川代表幹事が記者会見を行う。5日に日銀の〃反逆のカリスマ〃木内審議委員が前橋市で講演と記者会見を行う。
主要企業の決算発表は有力銘柄もあるが全体的には端境期。2日は伊藤園<2593>、ピジョン<7956>、3日はスリープロG<2375>、ナトコ<4627>、4日はくらコーポレーション<2695>、巴工業<6309>、5日は積水ハウス<1928>、綜合臨床HD<2399>、ロック・フィールド<2910>、ビットアイル<3811>、クミアイ化学工業<4996>、アルチザネットワークス<6778>、6日はカナモト<9678>、ケア21<2373>、アスカネット<2438>、鳥貴族<3193>、日東製網<3524>、gumi<3903>、フジコーポレーション<7605>、ファースト住建<8917>が発表する。
新規IPOは3月17日までないが、関東のスーパー3社が経営統合して2日に東証1部に上場するユナイテッド・スーパーマーケットHD<3222>は、注目されそうだ。
海外の経済指標は2日のISM製造業景況指数、6日の雇用統計とその前哨戦の4日のADP雇用統計が見逃せない。
2日はフランス、ドイツ、ユーロ圏の2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ユーロ圏の1月の失業率、2月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの1月の個人所得・個人消費支出、2月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、2月のISM製造業景況感指数、3日はアメリカの2月の新車販売台数、4日はオーストラリアの10~12月の国内総生産(GDP)、中国の2月のHSBCサービス業購買担当者景気指数(PMI)、フランス、ドイツ、ユーロ圏の2月のサービス業購買担当者景気指数(PMI)、ユーロ圏の1月の小売売上高、アメリカの2月のADP雇用統計、2月のISM非製造業景況指数、5日はドイツの1月の製造業受注、アメリカの1月の製造業受注、6日はドイツの1月の鉱工業生産、フランスの1月の貿易収支、ユーロ圏の10~12月期の域内総生産(GDP)改定値、アメリカの2月の雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)、1月の貿易収支、8日は中国の2月の貿易収支が、それぞれ発表される。
2~5日にスペイン・バルセロナで携帯電話の見本市「モバイル・ワールド・コングレス」が開催される。3日にオーストラリア準備銀行が政策金利を発表する。4~5日にイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開かれる。4日にブラジル、カナダの中央銀行が政策金利を発表する。FRBがベージュブック(地区連銀経済報告)を公表する。5日に中国・北京で国会にあたる全人代(全国人民代表大会)が開幕する。イングランド銀行が金融政策委員会の結果を発表し政策金利を発表する。ECB定例理事会が開かれて政策金利が発表され、ドラギ総裁が記者会見を行う。FRBが大手銀行のストレステスト(健全性審査)の結果を公表する。
アメリカ主要企業の決算は、3日にケイト・スペード&カンパニー、4日にアバークロンビーアンドフィッチ、5日にコストコホールセール、6日にフット・ロッカーが発表する予定。
月が3月に改まり、今週は「メジャーSQ」の前週にして、アメリカの雇用統計が発表される週。SQ前週はパフォーマンスが良く昨年は10勝2敗だったが、「雇用統計待ちの様子見」が発生しやすい週でもある。もっとも、今回だけは特別な要素がある。それは前週の東京市場がザラ場で昨年来高値18865円まで上がり、いささか信号無視気味に「暴走」してしまったという事実である。
前週の週間騰落は+465円。2月後半の16日以後は8勝2敗、+884円の快進撃で2月の月間騰落は+1123円。まるで14日のバレンタインデーに想定外のチョコを照れながらもらって変な妄想をしたウブな男子のように舞い上がり、昨年10月31日の日銀のサプライズ金融緩和に強く反応した11月のプラス幅をも上回った。2月26日に発表された2月第3週(16~20日)の投資主体別株式売買動向によると、外国人は2週連続の買い越し、個人は5週連続の売り越しだったが、裁定買い残は5週連続増加、信用買い残は5週連続減少で1月後半以来の需給トレンドは変わらなかった。信用倍率は1月16日の5.72倍から3.82倍まで大きく低下し、需給の改善が前週の暴走をあおったとも言えそうだ。
暴走するクルマはお巡りさんに止められればまだいいが、何かに激突すると痛いどころではすまない。暴走する相場は内部で自律的なブレーキがかかりスローダウンすればまだいいが、過激にクラッシュすると後が怖い。2013年5月23日の1143円安の「カタストロフ(大破局)」を忘れてはいけない。その後は半年程度、需給が狂ってゲリラ急落に頻繁に襲われるしつこい後遺症に苦しんだ。
暴走中の東京市場のダッシュボードのオシレーター指標メーターには、オーバーヒート時の水温計のように「レッドゾーン振り切れ」で今にも火を吹きそうなものが並ぶ。たとえば27日終値時点の25日騰落レシオは140.57で、買われすぎの目安の120~130を大きくオーバー。ストキャスティクス(9日/Fast)は94.8%、RSI(相対力指数)は89.0%で、どちらも買われすぎの目安の70~80%を大幅に上回っている。RCI(順位相関指数)は+97.9%で+95%オーバーの天井圏突入。MACDは20日の225.7%から333.7%まではね上がった。