【今週の展望】上昇が一服しておだやかに経過する週になるか?

2015年02月22日 20:16

 今週、2月第4週(23~27日)は5日間の取引。27日で2月の取引は終了し、来週はもう3月。新規IPOは1件ある。

 世界の主要株式市場は、アジアでは週初めに「旧正月(春節)」の休場が続く国がある。23日は台湾、ベトナム、上海など中国本土市場が旧正月で休場。24日は中国本土市場が旧正月で休場し、この日で1週間の「春節休暇」が終了する。27日は台湾が「平和記念日」の振替休日で休場する。1947年、多くの死者、刑死者を出し、後に侯孝賢監督『悲情城市』で映画化された国民政府支配への抵抗運動「二・二八事件」を記念する。

 国内の経済指標は、27日は「月末の金曜日の取引時間前」恒例の政府発表指標のラッシュ。23日は1月の全国スーパー売上高、24日は1月の企業向けサービス価格指数、25日は1月の外食産業売上高、26日は1月の建設機械出荷額、自動車各社の生産・販売実績、27日は1月の労働力調査(失業率・有効求人倍率)、家計調査(二人以上世帯の実質消費支出)、消費者物価指数(CPI/1月全国、2月東京都区部)、鉱工業生産指数速報値、自動車生産・輸出実績が、それぞれ発表される。

 23日に1月20、21日に開催された日銀の金融政策決定会合の議事要旨が発表される。経団連の榊原会長が記者会見を行う。24日に経済同友会の長谷川代表幹事が東京都内で講演を行う。JPX<8697>の斎藤CEOが記者会見を行う。25日は気象庁が3~5月の3ヵ月予報を発表する。春が早く来るほうが個人消費にはプラス。26日は日銀の石田審議委員が横浜市で講演し、記者会見を行う。

 主要企業の決算発表は端境期で少ないが、訪日外国人客でにぎわう「ハウステンボス」のインバウンド消費と、創業・設立に関わったスカイマーク<9204>株の損失処理で注目のエイチ・アイ・エスが27日にある。24日はヤガミ<7488>、アインファーマシーズ<9627>、25日はプラネット<2391>、ラクーン<3031>、26日は日本駐車場開発<2353>、パーク24<4666>、ウチダエスコ<4699>、27日はエイチ・アイ・エス<9603>、土屋HD<1840>、ダイドードリンコ<2590>、東和フードサービス<3329>、大和コンピューター<3816>、内田洋行<8057>。

 新規IPOは1件ある。23日にシリコンスタジオ<3907>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社でゲーム開発の推進・支援事業、スマホのネイティブアプリなど自社コンテンツの提供を手がけるゲーム関連銘柄。公開価格は4900円。この後、3月17日まで約3週間のインターバルに入る。来週3月2日に東証1部に上場するユナイテッド・スーパーマーケットHD<3222>は関東圏の3スーパー(マルエツ<8178>、カスミ<8196>、マックスバリュ関東)が経営統合した共同持株会社で、公募・売出しはない。

 海外の経済指標は、春節休暇があったのでいつもの月より2日遅れて25日にHSBCの中国PMIが発表される。アメリカでは24、25日のイエレンFRB議長の議会証言をめぐっていろいろ騒がれそうだ。

 23日はドイツの2月のIFO景況感指数、アメリカの1月のシカゴ連銀全米活動指数、中古住宅販売件数、24日はアメリカの12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、2月の消費者信頼感指数、25日は中国の2月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、アメリカの1月の新築住宅販売件数、26日はドイツの2月の失業率、英国の10~12月期の国内総生産(GDP)改定値、アメリカの1月の消費者物価指数(CPI)、耐久財受注額、12月のFHFA住宅価格指数、27日はアメリカの10~12月期の国内総生産(GDP)改定値、2月のシカゴ購買部協会景気指数、1月の中古住宅販売仮契約、2月のミシガン大学消費者態度指数確報値、3月1日に中国の2月の物流購入連合会の製造業購買担当者景気指数(PMI)が、それぞれ発表される。

 23~27日にブリュッセルで日本とEUの間のEPA交渉が行われる。24日はトルコの中央銀行が政策金利を発表する。24日に連邦議会上院、25日に同下院で、イエレンFRB議長が議会証言を行う予定。内容は2014年下半期の金融政策報告。

 アメリカ主要企業の決算は年末商戦の結果が反映される小売業中心。24日はホーム・デポ、トール・ブラザーズ、ヒューレット・パッカード、メーシーズ、25日はダラー・ツリー、ロウズ、ターゲット、TJX、セールスフォース・ドットコム、26日はJCペニー、GAP、コールズが発表する予定。

 前週の東京市場は「春のめざめ」で、日経平均は週間で418円の上昇を経験し18000円台に完全に定着した。1週間でこれだけ上がったのは647円上昇の1月16~23日の週以来で、4週間ぶりのことだった。

 東証が19日に発表した2月第2週(9~13日)の「投資部門別株式売買動向」によると、外国人が3週間ぶりに158億円の買い越しに転じ、バックに年金資金の運用がある信託銀行は1122億円の買い越し。一方、個人投資家は4週連続の売り越しで、売り越し額は4003億円と昨年11月第2週以来の大きさだった。それが、為替の動向に翻弄された前々週のモタモタぶりの背景にあった。

 だがその水面下では、13日時点での裁定買い残は4週連続で増加したものの、信用買い残は逆に4週連続の減少で3兆円を割り込み2ヵ月ぶりの低水準。1月23日に5.23倍あった信用倍率は4.38倍まで低下した。そのように裁定買い残と信用買い残がオフセット(相殺)されたことで、需給の悪化は阻止されていた。