安倍晋三総理は22日、防衛大学校卒業式で「グレーゾーンから集団的自衛権に関するものまで、切れ目のない対応を可能とするための法整備を進める」と安保法制の見直しに意欲を示した。一方で、集団的自衛権行使容認により戦争に巻き込まれるとの批判は「不安を煽ろうとする無責任な言説」とした。
ただ、憲法9条(戦争の放棄)の解釈変更により、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことへの批判は昨年7月1日の閣議決定以来、今も続いている。民主党は閣議決定を撤回すべきと求めている。
また戦争に巻き込まれる危険性を高めるとの批判は不安を煽るものではなく、政府・与党はこれらの不安が国民の中に存在する事実を認めたうえで、国民への説明をきちっと果たす責任があり、『無責任な言説』として片づける方が『無責任』との批判もある。
総理はこの日のフェイスブックで「自衛隊の務めとは何か。それは二度と戦争の惨禍を繰り返さない。そのため常日頃から、隙のない備えに万全を期すこと。そして、いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くこと」としたうえで「学生服から自衛官の制服に着替えた卒業生諸君の礼儀正しく、誠に凛々しい姿に接し、彼らの先頭に立ち、この務めを全うする決意を新たにした」と発信した。(編集担当:森高龍二)