韓国LCCのエアプサンが羽田―釜山線のチャーター便を就航させることとなった。羽田空港の昼の便でLCCが就航するのは初めてである。都心に近い羽田は発着便に混雑が激しいためLCCの参入は難しかったが、4月24日から6月28日の期間で暫定的に余った枠をエアプサンが使う形となった。深夜便、早朝便を含め週2往復、4便を運航する。価格は空港使用税、燃油サーチャージを除くと最安値で20,000円である。
昨年は外国人訪日旅行者数で台湾に1位の座を明け渡したものの、訪日旅行者は韓国人が2000年から13年まで1位を守り続けていた。11年から3年連続で上昇し、14年は276万人を記録し、年間300万人に届こうという勢いである。これは韓国人の総人口の約20分の1にあたる。
エアプサンは既に福岡-釜山、大阪-釜山といずれも西日本向けではあるものの日本-釜山間を就航させている。更に2月20日から23日にかけて羽田―釜山間でのチャーター便を運航させていた実績もあるため日本-釜山間でのノウハウに関しては問題ないだろう。しかし問題は便数とその発着時間である。羽田発は土曜日の午前3時40分と日曜の午後6時10分。釜山発は金曜日の午後10時20分と日曜日の午後3時15分である。つまり羽田からエアプサンを使うとなると土曜の早朝に行き1泊で帰る、もしくは日曜の夕方に出発をし、金曜の夜に帰国するというパターンが主流になると思われる。問題は、前者は短すぎ、後者は長すぎると思う利用者がどれくらいいるかと言うところだ。
今年は円安の影響、日韓国交正常化50周年などもあり、来訪者の堅調見込は高い。しかし、韓国人が来日するだけではこの企画は成功したとは言えない。韓国人の来日、日本人の訪韓数が伸びて初めて成功したと言える。関東を中心とする東日本からの来韓者を獲得できなければいけない上、先に述べたようにこの就航スケジュールに2泊や3泊と言った選択肢はない。追い風、向かい風があり、簡単なミッションではないことが予想される。(編集担当:久保田雄城)