労基法改正案の閣議決定に強い懸念 民主

2015年04月05日 08:33

残業代ゼロ法案ともいわれる労働基準法改正案を政府が閣議決定したことに、民主党の山井和則衆議院議員(党ネクスト厚生労働大臣)は「法案が創設する『高度プロフェッショナル制度』においては労働者の心身を守るために設けられている1日8時間・週40時間という基本的な保護さえ与えられず、残業代や深夜割増賃金、休日手当も支払われない。健康確保措置も不十分で、過重な長時間労働を合法的に強いられるようになることが火を見るよりも明らか」と批判する談話を発表した。

 山井議員は「(高度プロフェッショナル制度に適用される)約1000万円という年収要件も将来引き下げられ、対象が中所得者まで拡大する危険性が大である」と警告する。

 また、山井議員は「昨年、国会は全会一致で過労死防止法を制定したが、労働基準法改正法案は長時間労働を促進する政策に重点を置き、肝心の過労死防止や長時間労働是正のための労働時間の上限規制やインターバル規制等の実効性ある対策を盛り込んでいない」と指摘。また「ブラック企業の増加が社会問題化する中で、この法案は残業代なしに長時間労働を強いるブラック企業を増やし、合法化する危険性すらあり、過労死促進法と言っても過言ではない。そもそも法案の立案過程において、労働者代表が一切参画していない産業競争力会議で骨格が決められたもので、ILOの精神に照らし、断じて容認できない」と問題点を強く提起している。(編集担当:森高龍二)