岸田外相は3月22日ソウル市内で日韓の若者向けに開かれた日韓人材交流会で、日韓国交正常化50周年を迎えるに当たり「ぜひ意義深い年にしなければいけない。」と伝えた。前日に行われた歴史認識問題については意見が一致していないなど50年間でわだかまりがなくなったことはなく、言葉の裏を返せばこれまで意義深かった年がなかったように思える。
日本側は、韓国は常に歴史問題ばかりを言及するというイメージを持ち、韓国は日本の軍事主義に陥りやすいという危機感を抱いている。そして両国は相手国に対し「自分たちをこういう風に捉えている。」というイメージを固定化し、多様性が生まれない状態を50年間繰り返し続けている。
そうなってしまった理由は日韓共に持っている。日本でいうと政治家の一貫性のない態度であり、韓国では軍事独裁時代の固定観念がある。日本の政治家は歴史的な植民地支配に対し謝罪をする一方韓国を経済的に発展させたという発言もする。つまり過去の非を認めていないのだ。韓国も時代に似つかわしくない発言をする政治家が常にいる。
しかし民間レベルでは動きがある。今では衰退したものの2004年頃から韓流ブームが起こった。しかも11年ごろまで続き息は長かった。韓国に至ってはウォン高や円安、インフルエンザや震災などの動きにより訪日旅行者が増減している。そして、ここ20年で3年連続減少を記録したことは無く300万人にも達しようとする勢いだ。このように民間レベルは相手の良し悪しをとらえ着実に交流が増えているように見える。
同交流会で岸田外相は若者たちに対し「若い皆さんはまさに日本と韓国の未来への懸け橋だ」と述べた。10年前も20年前も若者の交流があり期待され続けた。若者に期待するのはいいが自分たちの世代がどうにかしてやろうという者が合わられない限り2国間の溝は埋まらないだろう。(編集担当:久保田雄城)