格差や貧困が社会問題となる中、独身男女の7割が「生活に経済的ゆとりがない」と考えていることが、オウチーノ(本社・東京)の調査で分かった。調査は今年2月、学生を除く20~39歳の独身男女553人を対象に、ウェブアンケートで実施。「今の生活に経済的ゆとりはありますか?」と尋ねたところ、「かなりある」と回答した人が3.3%、「まぁまぁある」が28.6%、「あまりない」が42.1%、「全くない」が26%だった。独身男女のうち、68.1%は生活が苦しいと感じている。
この結果を実家暮らし、1人暮らしに分けて見ると、実家暮らしで経済的にゆとりが「ある」人が32.5%、「ない」が67.5%だったのに対し、1人暮らしで「ある」は30.7%、「ない」は69.3%だった。実家暮らしと1人暮らしで、生活の苦しさはほとんど変わらないようだ。その原因のひとつは、実家暮らし独身男女の「年収の低さ」にある。調査によると、1人暮らしでは「年収200万円未満」が14.5%、「同300万円未満」が34.4%と、「年収300万円未満」が約半数だったのに対し、実家暮らしでは「年収200万円未満」が実に32.3%と3人に1人、「同300万円未満」が53.5%と、9割近くが「年収300万円未満」だった。実家暮らしの人は、収入が少ない分、出費を抑えても経済的ゆとりを感じられないケースが多いのだろう。
経済的ゆとりが「ない」と回答した人に理由を聞いたところ、最多は「収入が低い」で約6割、次いで「必要経費が多い」(9.3%)、「浪費が多い」(7.4%)、「借金の返済」(4.5%)、「働けない」(1.3%)、「職がない」(1.1%)だった。男性は「必要経費が多い」と回答した人が4.4%だったのに対し、女性は13.9%と3倍以上。被服費や美容代などがかさむのかもしれない。
経済的ゆとりがある人と、ない人の年収を比べたところ、「ある」層では「年収300万円未満」が22.7%、「300~500万円未満」が51.1%、「500万円以上」が19.9%だった。一方、「ない」層は「年収300万円未満」が55%と過半数を占め、「300~500万円未満」は29.8%、「500万円以上」はわずか6.4%となっている。ゆとりがある層では7割が「年収300万円以上」だが、「ない」層は 55%が「年収300万円未満」。年収300万円が、独身男女が経済的ゆとりを持てるかどうかの、ひとつのボーダーラインなのかもしれない。(編集担当:北条かや)