安保法制とともに後半国会の大きな争点になる「労働法制見直し」に労働界の危機感や反対姿勢が86回メーデー中央大会で強く浮き彫りになった。塩崎恭久厚労大臣がいる中でも連合の古賀伸明会長(主催者)は「生涯派遣で低賃金を招く改悪案に連合は断固反対する」と表明し「労働者保護ルール改悪の流れにストップをかけるため、立ち上がり、行動しよう」と呼びかけた。
連合と労働政策で同じ立ち位置にある民主党の枝野幸男幹事長は「民主党はすべての人が安心して暮らせる社会をつくることをめざしているが、今の状況は残念ながら正反対に向かっている」と安倍政権がめざす労働法制の見直しを問題視。
枝野幹事長は「民主党は連合と密接に連携しながら、労働者派遣法改悪法案の3度目の廃案を何とかめざしていく。人を使い捨てにすることは断じて許せない」と訴え、「残業代ゼロ法案」を認めない考えを示した。
また、枝野幹事長は「適切な労働者保護ルールのもと、すべての皆さんがワークライフバランスをとりながら、心身ともに健康な働き方ができること。雇用が安定し、賃金や処遇が改善していくことこそが、日本経済を真の意味で再生させ、活力を引き出すための大前提だ」と語った。
塩崎厚労大臣は「景気は緩やかな回復基調で、雇用情勢も着実に改善が進んでいる」とし「政労使会議では長時間労働の是正をはじめ、休み方や働き方について共通認識にあると思っている」としたうえで「特に中小企業の賃金上昇が重要と認識している。非正規労働者対策等にしっかり取り組む」とあいさつした。(編集担当:森高龍二)