安保法制「今夏までに成就」総理約束は国会無視

2015年05月01日 08:31

 安倍晋三総理は米議会上下両院合同会議の演説で、自衛隊を海外派遣するための恒久法「国際平和支援法」案について「必要な法案の成立を、この夏までに、必ず実現する」と明言し、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法案についても「戦後、初めての大改革」としたうえで「この夏までに成就させる」と表明した。

 安倍総理自身が「法整備を前提として」との言葉を演説の中で使いながら、「必ず実現する」「夏までに成就させる」と明確に決意を示したことは、日本での国会審議の行方を待たずに、米国の上下両院の議員、議会に日本の総理として約束したことになる。

 野党第1党の民主党、岡田克也代表は30日「そもそも米議会の前に、日本の国会で、日本国民に対し安全保障政策や歴史認識等について説明すべきであり、安倍総理は日本国総理大臣としての最低限の責務すら果たしていない」と痛烈に非難した。

 岡田代表は特に「安全保障法制について、『戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます』と明言した。国会審議はおろか、法案提出すらなされていない段階で、これほどの重要法案の成立時期を外国、それも議会で約束するなど前代未聞。国民無視・国会無視ここに極まる」と与党の数の力を背景とした安倍総理の横暴を指摘した。(編集担当:森高龍二)