社会民主党の吉田忠智党首は、30日、安倍晋三総理の米議会上下両院合同会議での演説に対し「安保法制法案の提出もなされていないし、国会の会期延長も決まっていないのに、アメリカに対し成立を約束するのは国会軽視どころか国会無視、国民無視以外のなにものでもない」とのコメントを発表した。
吉田党首は「(これらの行為は)立憲主義を否定する暴挙であり、安倍政権の姿勢を徹底的に追及していかなければならない。米国との合意を盾に既成事実化を図り、国内の反対意見を封じるようなことがあってはならない」と強くけん制した。
コメントで、吉田党首は「日米防衛協力指針(ガイドライン)の再改定について『真に歴史的な文書に合意した』と評価するとともに、新指針を裏付ける『戦争関連法案』の制定について、『戦後初めての大改革』としたうえで、『この夏までに成就させる』という考えを示した。しかし、今回の新指針は、日本の安全に加え『アジア太平洋とこれを越えた地域』での協力をうたっており、長年にわたって積み上げてきた憲法解釈を超えるとともに、日米安保条約の範囲も大幅に超え、地球規模で軍事協力を行おうとするものである」と指摘。
そのうえで「国内向けには平和国家としての歩みを強調し、国民の命を守るための法制定と言いながら、アメリカに対しては、対中戦略を意識し、自衛隊と米軍との協力関係の強化、一体化を図るため、というのも二枚舌だ」と批判した。(編集担当:森高龍二)