自民の憲法改正草案「帝国憲法より復古的」

2015年05月05日 08:25

 自民党の幹事長も経験している生活の党の小沢一郎代表が自民党の憲法改正草案に「内容は大日本帝国憲法よりも復古的ともいえるもの」と指摘し「到底賛同できるものではありません」と内容は支持できないと断言した。

 小沢代表は自民党の憲法改正の立ち位置が「国家あっての国民という視点」と憲法に対する立ち位置に危険性をあげ「日本国憲法の基本理念を蔑ろにし、否定する考え方になっている」と明言した。

 また自民党の改正草案は「改正というより、むしろ全く新しい憲法をつくろうというもので、自民党が現在やろうとしている改正は日本国憲法の理念を抜本から覆すという意味で現憲法との連続性が無い」と述べた。

 また、小沢代表は「安倍内閣はなし崩し的に実質的な憲法改正を行っている」と批判。「昨年夏の集団的自衛権の行使容認の閣議決定はその最たるもの。そして政府与党は今、集団的自衛権の行使に踏み込んだ法制度を作ろうとしている。憲法を完全に無視したやり方で、法治国家・民主主義国家として決して許されるべきものではない」と問題提起した。

 小沢代表は「安倍首相が本当に日本のために集団的自衛権を行使する必要があるという信念を持っているのであれば、正々堂々、憲法9条の改正を国民に問うべき。政府は姑息な手段を講じるのではなく、正面からの政治運営を心掛けるべき」と政府に正道での対応を求めた。
 
 また、国民に対して「日本国憲法の理念の根本は国民主権。これは自由な意思を持つ市民の自由な議論によって得られた合意に基づき共同体国家がつくられ、その共同体国家を規制し、自分たちの生活を守るためにつくる最高法規こそが憲法。憲法改正について、誰かによって誘導されたり強制されたりするのでは国民主権ということには決してならない」と提起し、憲法の役割と現行憲法について、国民一人一人が自身の問題と自覚し、考える必要を訴えている。(編集担当:森高龍二)