良品計画<7453>が展開する「無印良品」がアジアで好調だ。同社の2015年2月期決算は、売上高が前期比18%増の2602億円、営業利益が同14%増の238億円となり、ともに過去最高を更新した。この高成長を牽引しているのが、アジアだ。同地域での売上高(オーストラリアを含む)は、前年度80.5%増の622億円。
アジア地域では、すでに中国、香港、台湾、韓国、タイ、シンガポール、フィリピン、マレーシアなどで店舗展開している。この中で中核となっているのが中国だ。
同社は、05年に中国に初出店し、10年に発注、販売、在庫の状況をリアルタイムで管理できる「グローバルMDシステム」を導入。これによって、販売機会損失と過剰在庫の削減が進んだ。13年8月には、上海の商業施設「環貿iapm商場」に、標準店の約1.5倍の旗艦店舗を開設した。同店には、世界中から集めた商品を販売する「Found MUJI」などを設け、中国の消費者を引き付けた。
14年12月には、中国の成都に海外最大規模の店舗を出している。一方で、ネットストア事業、飲食事業などにも進出している。14年度は中国において、新たに30店舗(2店舗退店)出し、店舗数は128に拡大した。
今後同社は、アジア地域事業で情報発信力の高い都市への出店を進める一方、ネット販売事業の規模拡大を目指す。特に中国においては、15年度に30店舗前後の出店を計画。韓国、台湾、タイなどでも積極的に出店する。17年までに国内外の店舗数(国内401店、海外301店)を逆転させるという。
5月には、現社長の金井政明氏が代表権のある会長に就き、専務取締役の松崎曉氏が社長に昇格する。松崎氏は、西友ストアー(現西友)を経て05年に良品計画に入社して以来、アジア地域を中心とする海外事業展開を担当してきた。金井氏は松崎氏に対して、「海外が長く人脈が豊富。海外の成長をしっかり取り込んで欲しい」と期待感を示している。
成長の原動力であるアジア地域での事業展開が、さらに加速しそうだ。(編集担当:久保田雄城)