米テスラ、新型セダン好調も1~3月は赤字拡大

2015年05月09日 14:36

 アメリカの電気自動車(EV)メーカーであるベンチャーのテスラ・モーターズは6日、第1・四半期(1~3月)の決算を発表。それによれば、純損益は1億5400万ドル(約183億7000万円)の赤字であり、前年同期の4980万ドルの赤字から拡大した。価格7万1000ドルからのセダン「モデルS」の販売は好調に推移したものの、設備投資費の増加、また新型スポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルX」の販売を第3・四半期に控えており、その研究開発費が膨らんだことなどが足を引っ張る形となった。売上高は前年同期比51%アップの9億3900万ドルであった。

 第1・四半期のセダン「モデルS」の出荷台数は前年同期比55%アップの1万30台で、四半期の記録を更新。これが売上高の増に大きく貢献した。そして第2・四半期には1万2500台を製造し、1万1000台程度の出荷を見込んでいる。また今年で5万5000台を出荷するという目標を掲げており、現状であれば達成可能との見方を示している。そしてスポーツ用多目的車「モデルX」の発売は、予定通り第3・四半期後半になるとのこと。

 さらに第2・四半期には二酸化炭素を排出しないゼロエミッション車(ZEV)の排出権の約500万ドルも含めて、約1500万ドル相当の排出権を販売するとのこと。第1・四半期は自動車メーカーへの排出権の販売により6600万ドルを売り上げており、そのうちゼロエミッション車が5100万ドルを占めている。

 3月末時点での手元資金は15億ドルで、2014年末時点の19億ドルから減少。テスラ・モーターズは、キャッシュフローは今年の後半にもプラスに転じるとの見方を示している。

 さらにテスラ・モーターズは同日に、パナソニック<6752>とアメリカ西部ネバダ州に建設中の大規模電池工場「ギガファクトリー」において、16年に電池パックの生産を開始させるとの発表を行った。この「ギガファクトリー」ではテスラ・モーターズの電気自動車に搭載させる電池などが製造される。大量生産によりコスト削減し、低価格の電気自動車の販売を打ち出していきたい考えだ。(編集担当:滝川幸平)