住宅の買いどきはいつ? 太陽光発電の売電価格が7月より引き下げ

2015年05月23日 20:06

 不動産の売買において、金利はもとより、消費税率や減税措置、助成金、太陽光発電などなど、検討する要素は様々だが、消費者がいちばん気になるのは「いつが本当の買いどき?」ということではないだろうか。しかし、検討する要素が多すぎて「いつ」ということは、なかなか簡単には判断しづらいものがある。

 実際、「今」はどうなのだろう?株式会社リクルート住まいカンパニーが7大都市圏を対象に3カ月に1度、定期的に実施している『住まいの買いどき感』調査の2015年3月度調査によると、一般生活者の中で今が「住まいの買いどき」と感じている人は前回調査から2.6ポイント増加し、18.0%となり、一般消費者の「買いどき感」は3四半期ぶりに上昇している。また、その理由としては、景況感の上昇や、住宅ローン減税など税制優遇のメリットが挙がっている。

 確かに、消費税率が8%に留まっている今は、大きな買い時であるのは間違いないだろう。2017年には10%への引き上げが予定されているだけでなく、財務省ではさらに消費税率の引き上げを画策しているという噂もある。消費税は税率を1%上げると約2.7兆円の税収を確保できるとされる。仮に13%に上がれば、今よりも13兆円以上の税収が見込めることになる。しかし、消費者にとってみれば、大きな負担であるのは言うまでもない。仮に4000万円の住宅を購入した場合、消費税が5%上がればそれだけで200万円もの差が出てくる。200万円あれば、住宅設備などのオプションやグレードアップ、家具や電化製品なども揃えられるだろう。

 また、「今が買いどき」な大きな理由がもう一つある。それは太陽光発電による買取価格だ。現在、太陽光発電設備を設置すると、10kw未満搭載の場合は10年間の余剰電力での売電が、10kw以上搭載の場合は全量買取制度が利用でき、20年間の固定価格での売電が可能である。しかし、そもそもが設備普及のために、電力会社の販売価格よりも高い買取金額が設定されていたため、今後は段階的に減額されていくことがわかっている。近いところでは、2015年の7月にも買取価格が改定されることが予定されている。同じ設備投資費用をかけて、同じ発電効率でも、売電によって得られる収入には大きな差がある。一ヶ月や二ヶ月のことならしれているが、住宅の場合は十年単位だ。たとえば買取価格が1円変わっただけでも、20年間の固定と考えるとおよそ20万円もの差がでてしまう。これは大きい。

 そこで、太陽光発電に力を入れている住宅メーカーではとくに、「今が買いどき」を強調して、売電収入が見込める内の住宅購入を薦めているのだ。例えば、並みいる大手住宅メーカーの中でも圧倒的なのが、太陽光発電システムの搭載率92%以上を達成した一条工務店。さらに同社ではオリジナルの太陽光発電「夢発電システム」によって、1件あたりの平均搭載容量が全国平均のおよそ3倍の約14kWとなる大容量を実現しているほか、一条工務店グループが初期費用を金利1.5%で立て替えるプランなども用意して、検討しやすい体勢を整えている。

 また、「太陽を活かす家」が好評なアキュラホームも、同商品で10kW以上の大容量発電システムを標準搭載するだけでなく、売電価格に+1円をアキュラグループから上乗せするという破格のサービスを実施。さらに住宅補助制度やアキュラグループ提携の住宅ローン制度などを用いることで、同社試算で最大884万円もおトクになるという。

 近頃、市場では中古物件の需要が高まっているという。たしかに、購入金額だけを考えれば中古物件という選択は魅力が大きい。ただ、その後のメンテナンスや居住年数による経年劣化のことを忘れてはならない。また、数々の住宅補助制度などを上手く活用すれば、新築の方が割安ということも少なくない。(編集担当:藤原伊織)