政府は2030年までに、太陽光発電をはじめ、風力、バイオマス、地熱など再生可能エネルギーの比率を全発電電力量の22~24%とする見通しを示している。事実、このところ、メガソーラーのみならず、地熱、バイオマスなど再エネ発電設備の建設が相次いでおり、今後もさらに建設需要の高まりが予測されている。
これを受け、チューリッヒ保険会社は11日より、メガソーラーに加え、新たに風力・バイオマス・地熱の発電設備工事を対象とした、再生可能エネルギー発電設備工事向け保険商品の一般発売を開始したと発表した。
同社は、2014年9月よりメガソーラー発電設備工事向け保険商品の一般発売を開始していたが、今回、対象出力10MW以上、風力のみ5MW以上の再生可能エネルギー発電設備に対象を広げ、リスクをより広範囲に補償する。
工事期間中の「組立保険」、「損害賠償責任保険」、「操業開始遅延保険」の3種類の保険をセットで販売する。同社は既に全世界で大規模プロジェクトの引受実績を持っているという。この実績に基づき、個別案件ごとのリスク評価に基づき、ユーザーに適した保険を提案する。
補償内容は、工事現場に資材や部品が搬入されてから、工事完成後試運転を完了して引き渡すまでの工事の過程で、不測かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備に生じた損害に対して、保険金を支払う。地震・津波・噴火に起因する事故も対象にすることが可能だ。
また、工事中に生じた偶然な事故により発生した他人の身体の障害または財物の損壊(滅失、破損もしくは汚損)につき、被保険者が法律上の損害賠償を負うことによって被る損害に対して、保険金を支払う。再生可能エネルギー発電設備の工事中または試運転中に、再生可能エネルギー発電設備が不測かつ突発的な事故により損害を受けた結果、操業の開始が遅延したために生ずる喪失利益などの損失に対して、保険金を支払う。さらに、地震・津波・噴火に起因する事故も対象にすることが可能であるという。(編集担当:慶尾六郎)