1997年にニッカウヰスキーが開発・発売したブレンデッドウヰスキー「ブラックニッカ・クリア」は、ウイスキー独特の風味であるピート香をあえて排除した商品だ。開発のテーマは、“日常的に気軽に飲めるクセがない飲みやすいウイスキー”で、発売以来ウイスキーユーザーの裾野を広げてきた。
さらに2013年に、芳醇なコクや華やかな香りが特長の「ブラックニッカ・リッチブレンド」を発売。同社の最重要基幹ブランドである「ブラックニッカ」の販売状況は、2014年は232万8千ケース(前年比111%)、2015年1~4月では87万1千ケース(前年比124%)と好調に推移している。この好調な売上増についてアサヒビール副社長・平野伸一氏は「昨年から放映されたドラマ“マッサン”で、ウイスキーにトライした人たちが定着、本格ユーザーに育った結果と思われる」と後述する新製品発表で語った。
なかでも創業者の名を冠したモルトウイスキー「竹鶴」ブランドは、2014年暦年で192%と劇的な伸長を見せ、2015年1~4月期では何と前年比314%という数字を叩き出している。このためアサヒビールでは2月から本来焼酎などのボトリングに使う九州・門司工場でウイスキー瓶詰めをスタート。同時にニッカウヰスキーの千葉・柏工場に新たにハイスピードラインを導入して生産体制を構築したという。
そのニッカウヰスキーの主力ブランド「ブラックニッカ」を冠した新製品「ブラックニッカ・ディープブレンド」(700ml)を2015年6月2日に全国で発売する。
新発売する「ブラックニッカ・ディープブレンド」は、市場の拡大とともに、ウイスキーに対する嗜好や飲み方が多様化していることに対応して、「ブラックニッカ」ブランドから新提案する商品。
“濃厚な味わい”や“ウイスキー本来の香り”を楽しみたいという準本格派ユーザーに向けて発信する。アメリカンホワイトオークの新樽で熟成したモルト原酒と、ニッカウヰスキーが宮城峡蒸溜所で稼働させているクラシックなカフェ式蒸溜機でつくったカフェグレーン原酒をブレンドした。
テイスティングの印象は、キーモルトの新樽熟成原酒の濃厚でウッディな香り、深いコクと豊かで伸びのあるバニラ香、甘い味わい、刺激的では無い心地よいピートの香りとビターなアフターノートが印象的なブレンデッドだ。アルコール度数は45%で「ブラックニッカ」ブランドではもっとも高く、しっかりとしたキックがある。(編集担当:吉田恒)