北アメリカでのパスタソース事業の買収が寄与し、27日にミツカンホールディングスが発表した2015年2月期連結決算において同社は売上高を大きく伸ばした。しかしその一方で、買収にかかる費用や、14年7月に新たに建設した岐阜県美濃加茂市の美濃加茂工場の初期費用などの影響により、経常利益が大きくマイナスとなり、09年2月期以来の減益となった。
27日にミツカンホールディングスが発表した15年2月期連結決算によれば、売上高は前年同期比30%アップの2141億円であり、過去最高を更新した。こうして売上高が過去最高を更新した要因として、14年6月に英国・オランダの食品・家庭用品大手のユニリーバから2000億円以上で買収したアメリカのパスタソース事業が大きく寄与したことが挙げられる。しかし、そうして売上高が大幅アップした一方、経常利益は前年同期比44%ダウンの119億円という結果に。買収にかかる費用や新工場の建設のための初期費用が足を引っ張る形となり、09年2月期以来の減益。
過去最高を更新することとなった売上高を地域別に見てみると、加工食品向けなどの酢が堅調に推移した北アメリカが前年同期と比べて2.3倍となる860億円で、ヨーロッパも前年同期比4%アップの199億円という結果であった。グループ全体の売上における海外事業の売上高の比率は、14年2月期には34%であったが今回50%にまで拡大した。同社にとって、いかに海外事業の占めるウェイトが大きいかがうかがえる。一方、国内の売上高は鍋つゆ商品が好調に推移したものの、去年の夏の天候不順などの影響によりつゆ商品が不振。その結果、前年同期比1%ダウンの1067億円となった。
そして、円安などにより原材料費が高騰している影響から、様々な食品会社が相次いで値上げを行っているが、ミツカンホールディングスとしては、大豆値上げの影響は大きいものの、契約栽培するなどの企業努力により、当面の間は値上げをしないとの考えを示している。(編集担当:滝川幸平)