民主党の枝野幸男幹事長は8日、 今月4日の衆院憲法審査会で参考人出席した3人の憲法学者全員が、集団的自衛権の行使を盛り込んだ政府の安保関連法案は違憲と表明したことについて「これを無視するかのような発言が与党筋から繰り返されている」と問題視した。
枝野幹事長は「(憲法学者の議論を批判した)自民党の谷垣禎一幹事長、高村正彦副総裁は、40年前の憲法議論をベースにものを言っているのではないか。もう1回、大学で憲法の授業を聞き直してからそういうことを言うべきだ」と批判した。
谷垣氏も高村氏も衆院憲法審査会で集団的自衛権を認める安保法案は違憲だと参考人の憲法学者が明確に答えたことなどを受け、記者団などからの質問に「違憲・合憲を判断する最高裁は日本が持つ固有の自衛権として集団的自衛権も否定してはいない。今度の法案も最高裁の憲法論の枠内で作られている」(谷垣氏)「憲法学者はどうしても憲法9条2項の字面に拘泥する」(高村氏)などと反論していた。また、菅義偉官房長官は「全く違憲でないという憲法学者もたくさんいる」と記者会見で反論。「審議に影響はない」(官房長官)とした発言には野党から「立法の参考に資するという参考人制度を否定するもの」との批判もでている。
枝野幹事長は安保法案について「政府が合憲性を十分に説明できない法案は撤回するのが立憲主義から当然のこと」と合憲と十分に説明できない場合は法案を一端、撤回すべきと提起している。(編集担当:森高龍二)