安保で違憲訴訟「あるかも」谷垣幹事長

2015年06月07日 11:25

 集団的自衛権の行使容認を含む政府の安保法案について、4日の衆院憲法審査会で与党側推薦の憲法学者も含め、すべての学者が憲法違反としたことに関連して、自民党の谷垣禎一幹事長は、記者団から法案が成立しても憲法違反だとして違憲訴訟が起こるかもしれないが、と問われ「それはいろいろな意見がおありですから、起こされる方もあるかもしれませんね」と法廷で争うことの可能性もありうるとの受け止めを示した。

 また、記者団から、その際には耐えうる法制であるということかと聞かれ「私どもはそう思っております。それだけの議論も積み重ねてきた」と答えた。

 しかし、自民党にとって憲法学者が揃って意見だとしたことへの焦りは隠せないようす。谷垣幹事長は5日の党役員会連絡後の会見で「高村副総裁からのご挨拶は1954年に自衛隊を作ったがほとんどの憲法学者が違憲と言っていた。今回の集団的自衛権の限定容認は、自国防衛のため、目的に限ったものだけを認めるものであり、憲法の範囲内であり、最高裁の法理の範囲内のものである。自信を持って緊張感を持ってやっていこうということでした」と紹介した。これは「自信を持って」とわざわざ法案審議に対して呼びかけなければならない事態になったことを浮き彫りにしている。(編集担当:森高龍二)