自民党の谷垣禎一幹事長は9日の記者会見で、高村正彦副総裁がこの日の党役員連絡会で「60年前に自衛隊ができたときにはほとんどの憲法学者が違憲と言っていた。その通りにしていたら自衛隊もないし、日米安保もなかった。日本の平和が保たれていたのか極めて疑わしい」と語ったことを紹介した。
今月4日の衆院憲法審査会で与党推薦の憲法学者も含めすべての参考人が政府の安保法案は違憲と発言したことを強く意識し、けん制した発言と受け取れる。
ただ、谷垣幹事長は「(高村副総裁は、憲法学者を批判しているのではなく)私(高村副総裁)が批判するのは学者の言うことを無批判に受け入れる政治家だという趣旨のご発言だった」と語った。
批判のさきは学者に対してであれ、政治家であれ、憲法に照らして政府の安保法案が憲法に違反するものなのかとの問いに、憲法の規定に照らして、憲法の専門家がそろって憲法違反とする法案であることだけは確かで、その意見にこそ、真摯に耳を傾ける姿勢が政府側に求められていることは確かだ。
谷垣幹事長は「(党役員会で)丁寧に説明しながら反論すべきところはしっかり反論して国民の理解を広げられるようにしていきたい。その上で、その他法案の審議を進めていく上でなかなか厳しい状況だが、政府・与党一致協力して緊張感を持ってやっていこうということを話した」と語った。(編集担当:森高龍二)