東芝と米マイクロソフトは6月2日、IoT(モノのインターネット)分野で業務提携した。
センサーなど東芝のIoTデバイスと、マイクロソフトのクラウドコンピューティングプラットフォーム「Azure(アジュール)」を連携させ、データを収集・分析することで、IoTソリューションの提供を開始する。
すでにマイクロソフトは、3月にアトランタで開催した同社のイベント「Convergence 2015」において、「Azure IoT Suite」を発表していた。「Azure IoT Suite」はIoTソリューションのモニタリングや分析を可能にするクラウドサービス。
今回の提携に基づいて、まず物流市場向けに、ドライビングレコーダなど東芝のセンシングデバイスで測定したデータを「Azure」で収集・分析するIoTソリューションの提供を今年中に始める。
例えば、トラックの荷台などの温度、湿度、衝撃などを計測するセンサーを設置し、運輸状況のデータを「Azure」に蓄積してビッグデータを分析する。これによって、荷物への損害をなくすための改善策や、衝撃の少ない運行ルートの決定を支援することができる。
機器にセンサーを設置し、収集されたデータをクラウドコンピューティングによって分析するというスキームは、いま様々な産業で利用され始めている。
例えば、NTTデータ 〈9613〉は水道事業大手「メタウォーター」 と組んで、上下水道事業向けIoTサービスの提供している。
マイクロソフトに対抗する形で、IT企業各社はクラウドソリューションを強化している。アマゾンはAWS、IBMはSoftlayerを提供している。
様々な産業分野で、センサーによる情報収集とクラウドサービスによる分析を組み合わせたIoTソリューションの活用が検討される中で、この分野の競争がますます激しくなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)