あらゆる物をインターネットに繋げることで生活が格段に便利になる、そんなIoTの時代が到来しようとしている。IoTとは「Internet of Things」のこと。パソコンやスマートフォンなどに限らず、テレビや冷蔵庫などの家電から、電灯や窓、ドア、車など、あらゆるものにセンサーを取り付け、インターネットに接続することを目指す。これにより、外出中でもスマホなどで家の中の物を遠隔操作したり、データを集めて二次利用したりするなどということが可能になり、我々の生活に大きなメリットをもたらしてくれることが期待されている。
たとえば損害保険ジャパン日本興亜<8630>が3月から提供を開始する「スマイリングロード」は、IoT技術を活用した企業向けのサービスだ。トラックやタクシーなどの商用車にドライブレコーダーを搭載し、各ドライバーの走行データを収集。危険運転を行った場合は時刻や場所などを記録し、情報を企業の管理者にフィードバックする。海外でもこうした車のIoT化は進んでおり、保険金支払料の削減や、安全運転の促進に繋がると高い評価を得ている。
しかしその一方で、セキュリティが大きな課題となっている。サイバー攻撃の脅威は年々高まっており、インターネット経由で個人情報やクレジットカード情報などを盗まれるといった被害が後を絶たないが、その対象がIoT対応機器にも拡大すると予測されている。米国のセキュリティー会社「ブルーフポイント」の発表によると、IoT対応家電などに対しこれまでに10万件ものサイバー攻撃を確認しているという。
パソコンやタブレット、スマホなどであれば、個々にセキュリティソフトを取り込むことが可能だが、IoT対応機器はそれができないため、脆弱性が指摘されている。これに対し、通信サービス大手のニフティ<3828>は「常時安全セキュリティ24プラス」を開発。セキュリティ機能を持たせたサービスアダプターを利用することで、インターネットに接続するすべての物をサイバー攻撃から保護する。来るべきIoT時代に向けて、セキュリティ対策は万全を期したいものだ。(編集担当:久保田雄城)