3ヵ月に一度、先物もオプションも清算値を算出する「メジャーSQ」の日の日経平均は48円高の20431円で始まる。TOPIXもプラス。9時4分に20473.83円のSQ値が出た。値動きと離れた「まぼろしのSQ値」だが、上に出るまぼろしのSQは下げの兆候とされているので日経平均は一時マイナスまで下落。いったんはプラス50円近辺まで戻したかと思えば再びマイナスに落ちる乱高下で、数年前のメジャーSQ日の朝の荒れっぷりを思い出させる。これは前回3月のメジャーSQ値19225円よりも1000円以上高いことによる「高値波乱」か? 午前9時台後半にマイナスに落ち9時58分にマイナス50円近い20333円まで下げたかと思えば、10時台にはプラスに浮上するなど前場は方向性に欠けた不安定な動きが続く。11時台になってようやく安定し、20400円台にも乗せて前引けは10.35円高の20393円。TOPIXはかろうじてプラスだった。
後場は18円下げてマイナスに変わって再開。しかし前日終値を少し下回る水準で横ばい。午後1時30分に4月の鉱工業生産指数の確報値が発表され、速報値より0.2ポイント上方修正の前月比+1.2%。しかし稼働率指数は-0.4%で3ヵ月連続で低下した。第三次産業活動指数は市場予測の+0.3%に対し-0.2%で2ヵ月連続で低下した。指標発表直後から下落して1時49分に20331円の安値をつけるが、2時までに前日終値近辺まで戻る。中・小型銘柄が買われてTOPIXはプラスの時間が長くても、「利益確定売りの金曜日」ゆえか日経平均はなかなかプラスに浮上できず、終盤もプラスとマイナスの間で行ったり来たり。どっちに転んでもおかしくなかったが、大引け直前にひと伸びして24円高の20407円と、最後に20400円台を確保して続伸で終えた。だがSQ値の20473円は上回れず、上値追いをはね返す〃制空権〃を握られるために歓迎されない「まぼろしのSQ」になった。1650台を確保したTOPIXもプラスだがこれも「まぼろしのSQ」。JPX日経400もプラスで終わっている。
日経平均終値は24.11円高の20407.08円、TOPIX終値は+2.60の1651.48。売買高は26億株、メジャーSQの日なので売買代金は3兆5124億円と3兆円台。値上がり銘柄数は1009、値下がり銘柄数は736。18のセクターが上昇し、上位はその他製品、精密機器、電気機器、保険、医薬品、機械、水産・農林など。15のセクターが下落し、下位は電気・ガス、パルプ・紙、空運、陸運、鉱業、食料品、海運などだった。
今週の星取は2勝3敗。前週末5日終値20460.90円から53.82円下落して今週の取引を終えた。マイナスは2週連続だった。(編集担当:寺尾淳)