【今週の振返り】雇用統計ショックを蹴散らし472円上昇した週

2015年04月11日 20:36

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懸念された6日は小幅安。SQ週でも3日連騰し、木曜日と金曜の朝は「2万円まつり」。しかし達成後は「モーニングアフター」。

 6日の日経平均は3営業日ぶりに小幅反落。3日のNYダウは「聖金曜日」で休場だが雇用統計は発表され、非農業部門雇用者数は12.6万人増で前回の29.5万人増を大きく下回り、市場予測の24.5万人増の約半分というネガティブサプライズ。失業率は5.5%で前回、市場予測と同じだった。直後のドル円は118円台まで急速に円高進行。日経平均先物の大阪夜間取引は19500円から43分間で180円も下落し、終値は19350円だった。

 「雇用統計ショック」後、世界の株式現物市場で初めて開く東京市場。シンガポールSGXは19315円、大阪の日経225先物日中取引は19300円で寄り付き、ドル円は118円台後半。世界が注目する日経平均始値は140円安の19295円と19300円割れだったが、雇用統計がショッキングだったので「下げてもこの程度か」というところ。序盤は午前9時5分の19241円を底にV字回復をみせ、アッという間に19300円台に乗せ9時15分に19341円まで上がる。10分間で100円の上昇。いったん19300円付近まで下げた後、上昇して10時0分に19400円にタッチして19403円の高値を取る。「押し目らしい押し目がない」と嘆いていた勢力が「雇用統計ショック? 待ってました」と押し目買い出動なのか下げ幅を圧縮する。上海市場は清明節、香港市場は復活祭後の月曜日で休場。売り買いが一巡しても19300円台後半を維持し、マイナスでも前週末の木曜、金曜に合計401円上昇した調整の範囲内。前引け前に再び19400円にタッチし、前引けは36円安の19398円だった。

 後場は前引け水準で再開するが、19400円台には乗らずおおむね19300円台後半の小動きで推移する。海外投資家が復活祭休暇中の上に「6日のNY市場を確かめたい」という手控えムードもあるようで、薄商いで動きがにぶい。午後2時発表の景気動向指数速報値は一致指数が2.8ポイント低下して110.5、先行指数が0.2ポイント低下して105.3で、景気判断は「改善を示している」で据え置き。2時前に19400円台に乗せて19424円の高値を取っていた日経平均はそれで少し下押しされたが、19380円付近で下げ止まって終盤にはまた19400円に何度もタッチ。様子見の薄商いの真空状態は先物の仕掛け売りに狙われやすいが、この日はその勢力も復活祭休暇中だったようで何事もなく小幅安を保ったまま大引け。終値は37円安の19397円だった。

 日経平均終値は37.10円安の19397.98円、TOPIX終値は-3.45の1560.71。売買高は15億株、売買代金は1兆6776億円で、ともに今年最低の薄商いだった。値上がり銘柄数は606、値下がり銘柄数は1122。上昇したのは9業種で、鉱業、その他製品、食料品、サービス、医薬品、小売、情報・通信など。下落したのは24業種で、その下位セクターは海運、保険、ガラス・土石、繊維、機械、輸送用機器、金属製品などだった。

 7日の日経平均は大幅反発。復活祭休暇明けのNYダウは序盤は100ドルを超える下落で悪化した雇用統計に〃礼儀〃を示したが、その後は経済指標が悪ければ利上げ先送りでめでたいという思惑と原油先物相場上昇を好感して大幅続伸し117ドル高。朝方のドル円は119円台半ばとやや円安で、CME先物清算値は19580円と高い。日経平均はそれよりやや低い141円高の19539円で始まる。序盤の午前9時4分に19552円の高値を取るが、その後は上値を抑えられ19500円付近まで下落。10時にかけて徐々に上昇するが高値は抜けず、19500円台前半の小動きが続く。しかし10時30分すぎから先物主導の上値追い開始。この日から日銀会合で金融や不動産の大型株の上昇が目立つ。追加緩和期待もちらほら。19600円を突破し10時55分に19631円まで上昇する。清明節の連休明けの上海市場がプラスで始まり、投資信託の設定も伝えられた。前場は19600円台をそのままキープし前引けは222円高の19620円だった。

 後場は19639円と高値を取って再開し、午後0時40分に19667円まで上昇。2時台前半までおおむね19600円台前半で推移し、ほとんど値動きなし。それでも2時台後半はひと波乱。先物売りで19600円を割り込みTOPIXともども急落するかと思いきや、19500円台後半で踏みとどまり、終盤は買い戻されて19600円を回復し「コップの中の嵐」だった。終値は242円高の19640円。3月26日以来、19500~19600円が「レジスタンス・ゾーン」になり上値をはね返してきたが、この日はそれを突破して3月25日以来約2週間ぶりの高値で終了した。