ソフトバンクロボティクスとソフトバンクモバイルは、世界初となるという自分の感情を持ったパーソナルロボット「Pepper」を、2015年6月20日より発売すると発表した。
Pepperは今回の販売開始に合わせて、人の感情を認識するだけでなく、自身でも感情を持つという。Pepperの感情には、ソフトバンクグループでクラウドAIサービスの開発などに取り組むcocoro SB(ココロエスビー)が開発したロボット自らの感情を擬似的に生成する感情機能を利用している。感情機能は、人間が五感から受け取る外部刺激に対してホルモンを分泌して感情を形成する仕組みをモデル化し、Pepperに導入したもの。
Pepperが搭載している感情認識機能に加え、カメラやタッチセンサー、加速度センサーなどの各種センサーから得た情報を「内分泌型多層ニューラルネットワーク」で処理することで自らの感情を生成している。この機能によって、人の表情や言葉、周囲の状況などからPepperの感情が変化し、言葉や行動が変わっていく。
例えば、知っている人がいると安心したり、褒められると喜んだり、周囲が暗くなると不安になったりし、その時の感情によって、声のトーンが上がったり、ため息をついたりするなど言動が変化する。Pepperの感情は胸のディスプレーに表示されているグラフィックの色や動きに表れ、さらに、詳細な感情の移り変わりを見られるロボアプリ「感情マップ」も提供する。
そして、cocoro SBでは、このPepperを使った世界初となるという「ロボット人材派遣サービス」を開始すると発表した。第一弾として、時給1,500円でティッシュ配りのアルバイトに同社のPepperを派遣するサービスを、2015年7月1日より東京23区から開始する。また、受付・販売などの定型業務にも受け付けを開始するという。
「ロボット人材派遣サービス」は、人と同じように時間給で、ティッシュ配りや受付、販売などの簡単な定型業務にロボットを派遣するサービス。ロボットのリース契約や故障した場合の修理対応など面倒な手続きは不要で、派遣する際は業務に応じて、画像認識や行動計画、衝突回避、音声認識、音声合成などのさまざまなソフトウエアをパッケージにして用意するため、利用者は定型業務のための開発費を負担することなくロボットを使うことができる。
Pepperの派遣は2台からとなるという。ロボットにティッシュ配りのプログラムをインストールしたものを、申込時間分利用可能。ロボットの業務アシスト、サポートのための技術要員が当社から1名同伴する。東京23区から開始し、順次拡大予定だという。
このようにソフトバンク<9984>のロボット事業には目を見張るものがある。さらにこれらと並行して、アリババグループ、フォックスコン・テクノロジー・グループの3社が、ソフトバンクグループのロボット事業を統括するソフトバンクロボティクスホールディングス(SBRH)に対して、それぞれ145億円の出資を行うことも発表している。(編集担当:慶尾六郎)