次世代立ち乗り電気二輪車の公道走行規制が規制緩和へ

2015年05月01日 10:51

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セグウェイジャパンによると、全世界でこれまで数万台の販売実績があり、警察や民間の警備会社、倉庫やコンベンションセンター、空港施設などでの業務に利用されているという

 セグウェイとは、立ち乗り電気二輪車のことである。アクセルやブレーキ操作なしに重心移動によってその動きを制御するインターフェースを有している。そのため発進や停止をスムーズに行う運用に適し、小回りのきいた移動が可能 となるという。セグウェイを扱っているセグウェイジャパンによると、全世界でこれまで数万台の販売実績があり、警察や民間の警備会社、倉庫やコンベンションセンター、空港施設などでの業務に利用されているという。1 回の充電 (電気代20円程度 )で最大約39km走行可能で、エネルギー効率が高く省エネなモビリティとして評価されているという。

 東京急行電とセグウェイジャパンは、産業競争力強化法に基づく「企業実証特例制度」を活用し、次世代モビリティの公道走行に関わる道路交通法および道路運送車両法の規制の特例措置を申請し、新たな規制の特例措置を講ずることとする旨の通知を受けたと発表した。

 今回の規制の特例措置は、セグウェイの公道走行に関し、民間が主体となって受ける規制緩和としては全国初の事例だという。また、先行する茨城県つくば市の「モビリティロボット実験特区」では自治体が中心となって行われる構造改革特区の枠組みで進められているのに対して、今回の取り組みは、民間企業が「企業実証特例制度」を活用することにより、検証を行うことを目的としている。つくば市が行っている実験の規制緩和の条件に比べて新たに歩道幅員に関する追加の規制緩和を受けた内容だ。

 両社は、2012年より、異業種連携によるイノベーション創出を目指す「クリエイティブ・シティ・コンソーシアム」内の活動を通じ、都市における次世代モビリティ活用のあり方について研究を進めてきた。今回の規制緩和を通じて、セグウェイジャパンが提供する「Segway PT」シリーズなどを活用し、田園都市線・大井町線の二子玉川駅周辺エリア(東京都世田谷区)にて、15年度上期に、シティガイドツアーを開始する予定である。

 東急電鉄は、新しいテクノロジーや規制緩和などの手法を活用した都市内のイノベーション創出の実例を構築・発信し、次なるイノベーションの担い手となるクリエイティブ人材の集積をはかり、「日本一働きたい街」二子玉川の魅力向上を進めていく。セグウェイジャパンは、「歩行者と共存する空間での高い親和性」を示した実績を基に、ツアープログラムの内容の充実に努め、全国規模の規制緩和を推進すべく注力していく。

 今後両社は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、東急線沿線の他地域へ展開も視野にいれた幅広い活動を進めていく方針だ。(編集担当:慶尾六郎)