徴兵 少子化で警戒必要ありそう 細野政調会長

2015年06月22日 11:57

 民主党の細野豪志政調会長は徴兵制について「わが国では必要ないし、議論の余地なしと思っていたが、岡田克也代表が党首討論で取り上げたので調べてみた。結論から言うと、将来を考えると真剣に警戒する必要がありそう」と提起した。

 政府の安保法案が成立し、自衛隊の任務が拡大した場合、現在も1万3000人以上を毎年採用(うち2年の任期制自衛官は約8000人)しなければ維持できない状況が、さらに増える。

 3万人が必要とすれば、少子化で2060年には男子の10人に1人が志願しないと維持できなくなる予測で、志願制で確保できるのか、どういう方法で確保するのか。課題にあげた。

 そのうえで、細野政調会長は「自衛は大前提、半島有事に備える必要もあるが、政府の安保法制は大風呂敷を広げすぎ。人口減少時代に入ったわが国は『近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に』という身の丈に合った安保政策を採用すべき」とした。

 細野政調会長によると平成26年度の自衛官の採用数は1万3143人。そのうち8239人は2年の任期制自衛官で「若い隊員を補い続けなければ、精強な部隊は維持できない」としている。

 一方、政府の安保法案が通れば自衛隊任務は拡大。「主なものだけでも、集団的自衛権の行使が可能となり、周辺事態の地理的概念を外し、恒久法により世界中の戦争の後方支援が可能となり、PKO活動の範囲が拡大する」ため、従前の任務と合わせれば「毎年の自衛官の採用数は相当増えると考えるのが自然」。

 そのため「安保法制成立による任務拡大で、毎年3万人の自衛官を新規採用するとした場合、それだけの自衛官を現実的に確保できるかどうか」が課題だと提起した。

 「若年人口の減少は加速。今年度の新成人男性は65万人いるが、2030年には約50万人、2060年には約30万人まで急減する。毎年3万人の自衛官を新規採用するためには、私の孫の世代では10人に1人が自衛官になる計算になる」が、「10人に1人が自衛官を志望するのは現実的ではない」と自衛官確保方法に課題を投げている。(編集担当:森高龍二)