民主党の寺田学衆院議員は15日の衆院安保特別委員会で、自民党の高村正彦副総裁が、今回の集団的自衛権行使が合憲であるという理由を、『砂川判決では明示的に個別的自衛権・集団的自衛権を分けて言及していない。だから今回の限定的な集団的自衛権は排除されていない』旨の発言を14日のNHK討論番組等で行っているとしたうえで、徴兵制に言及した。
寺田議員は「徴兵制は憲法の条文でも判決のなかでも明示的に禁止されてはいない」ことをあげ「徴兵制は政策的に実施しないのか、それとも憲法で認めていないのか」と質した。
横畠裕介内閣法制局長官が「憲法上禁止されている」と答弁した。これを受けて、寺田議員は「だから、明示的に書いていないから認められる余地があるという高村副総裁の論法は不誠実だと思う」と指摘した。
また、徴兵制については、石破茂地方創生担当大臣が「徴兵制をとるかどうかはその国の政策判断。日本では徴兵制は憲法違反という人がいるがそんな議論は世界中どこにもないと憲法調査会で述べている」と政府・閣内でも解釈に違いかがあることを指摘した。安倍晋三総理は国会答弁で、徴兵制は苦役にあたるので憲法で禁止されていると断言している。
現行憲法では徴兵は国民の義務であり、苦役には当たらないと政府が解釈変更し、閣議決定すれば、集団的自衛権行使の容認と同様の論法で、徴兵制がとれることになる。禁止であれば禁止と明示して担保することが必要になりそう。(編集担当:森高龍二)