ロビンスは、1951年に創業された。複数のディスクカッターを持つ面盤を回転させてトンネルを高速で堀り進める「硬岩トンネルボーリングマシン(TBM)」の老舗メーカーだ。同社のTMBによって掘削された硬岩トンネルの総延長は5000キロメートルにも達する。
硬岩掘削の世界的老舗として知られる米ロビンスが、日本に上陸した。同社は3月、東京都港区に日本事務所開設した。同社は、すでに1960年代から日本メーカーと技術提携する形で日本市場に参入していたが、日本事務所は設置せずに対応してきた。
米オハイオ州に本社を置くロビンスは、1951年に創業された。複数のディスクカッターを持つ面盤を回転させてトンネルを高速で堀り進める「硬岩トンネルボーリングマシン(TBM)」の老舗メーカーだ。同社のTMBによって掘削された硬岩トンネルの総延長は5000キロメートルにも達する。
同社は、世界29拠点を擁し、従業員約850人を抱える。米国の陣容は約400人、中国が180人、インドが200人。
いま、同社が狙いを定めているのが、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の山岳トンネル工事受注だ。JR東海〈9022〉は3月13日、リニア中央新幹線の最大の難所と目される南アルプストンネル工事について、発注に向けた手続きを開始した。このトンネル工事は、最大土かぶり1000メートル以上の区間を含んでおり、高度な施工技術を要する。
土木工事の予算は約4兆158億円で、このうちトンネル費は1兆6220億円。この巨大プロジェクト受注を目指して、老舗ロビンスがついに日本に上陸したわけだ。
同社がアピールしているのが、土砂系と岩盤を含む複合地盤を1台のマシンで掘削できるクロスオーバータイプマシン。同社は、このマシンを3台所有し、これまでにインド、オーストラリアなどのトンネル工事に使用した実績がある。
同社は、日本国内での事業として、リニアのほか、水力発電用導水路トンネル、複合地盤を含むトンネルを視野に入れている。
果たしてロビンスはリニアのトンネル工事事業に参入できるか、注目が集まりつつある。(編集担当:久保田雄城)